新世紀エヴァンゲリオン 第2話「見知らぬ、天井 / THE BEAST」あらすじ

エヴァンゲリオンTV 第2話 タイトル

 エヴァ初号機に搭乗したシンジは、その巨体を歩かせることすら間々ならず、一方的に攻撃されてしまう。初号機の腕を取った使徒は、そのまま力ずくで破壊する。使徒に頭部を貫かれ動かなくなるエヴァ初号機。危険な状況に陥るシンジ。その時、ミサトはシンジの名を叫んだ――

 病院の一室。シンジは白い壁に囲まれた静謐な空間で目覚めた。

「知らない天井だ」

 人類補完委員会の会議において、今回の一件を詰め寄られるゲンドウ。そして、もう一つの急務「人類補完計画」についても言及される。

 病院を出たシンジは、第3新東京市地下F区・第六ブロックに一人で住むことになると告げられる。それを見かねたミサトは、自分のところで引き取ると言って上を説得する。ミサトは、自分の車でシンジを家まで連れて行く途中に「新たなる同居人の歓迎会」の買出しをする。コンビニで買い物を終えたミサトは「寄り道」と称して、シンジをある場所へと連れて行く。

 そこは、街全体を見渡せる高台になっていた。夕日が地平線に沈むころ、街の至るところからビルが伸びてくる光景を見てシンジは驚く。それは「使徒迎撃戦用要塞都市・第3進東京市」の全貌だった。その景色を指して「私たちの街よ」と言ったミサトは、シンジの方を向くと「あなたが守った街」と優しく伝える。

THE BEAST

EVANGELION EPISODE 2

 ミサトのマンションに到着したシンジは、玄関の敷居をまたぐことに躊躇していた。それを見かねたミサトは「ここはあなたの家なのよ」と言って促す。シンジは、その言葉を聞いて一歩を踏み出す。「た、ただいま」と恥ずかしそうに言うシンジに、「おかえりなさい」と笑顔を返すミサト。

 しかし、部屋に入るとミサトの杜撰な生活が露呈することになる。彼女曰く「ちょっちちらかっている」という状況を見てシンジは戸惑う。食事の時間になると早速ビールを飲み始めるミサト。「こういう食事慣れてないんで」と遠慮するシンジに対して渇を入れるミサトであったが、それは「誰かと食事することの楽しさ」を知って欲しい親心でもあった。

 食事の後、風呂に入ろうとしたシンジは、新種の温泉ペンギン「ペンペン」を見て、驚くあまり裸でミサトの前に飛び出してしまう。大人の対応でシンジの相手をするミサトだが、「見透かされてるのは自分の方かもしれない」と内心不安を覚える。

 「風呂は命の洗濯」だと言われたシンジだったが、「でも、風呂っていやなこと思い出すほうが多いよな……」と考える。その時、ふと綾波レイのことを思い出す。

 風呂から出た後、自分の部屋でまどろむシンジは、また知らない天井を見つめていた。「何でここにいるんだろう」自分の居場所がつかみきれないまま、シンジは脳裏に残るその信じがたい体験を思い返していた――

 使徒との戦闘で一方的に破壊されるエヴァ初号機。そして、完全に沈黙。ミサトは、パイロット保護を優先してエントリープラグの強制射出を指示。しかし、初号機は完全に制御不能に陥る。その時、エヴァが再起動する。

「まさか、暴走……」

 かつてなかった事態に、発令所の一同は見守ることしかできなかった。しかし、ゲンドウと冬月は落ち着いた様子で勝利を確信する。

 A.T.フィールドを展開した使徒に対して、エヴァ初号機もA.T.フィールドをもって応戦。形勢を逆転すると、使徒のコアに向かって集中的に攻撃を浴びせる。窮地に陥った使徒は、姿を変形させて初号機へ巻き付いた後に自爆を決行。巨大な爆音と共に、火柱が十字型に上がった。固唾を呑んでモニターを見守る発令所の面々。爆風が止み、辺りに広がる煙に浮かび上がる影。そこには、強烈な爆発に耐え、帰還を果たすエヴァ初号機の姿が映し出されていた。リツコとミサトは、ただ唖然とするしかなかった。

「あれがエヴァ……」
「……本当の姿」

 コックピットのシンジは、見た事もない光景に言葉を失っていた。爆発の衝撃を受けて、エヴァ初号機の頭部を覆っていた装甲が剥がれ落ちる。我に帰ったシンジが、ふとビルの窓に写るエヴァの頭部に目を向ける。そこには、骨格が剥き出しになった不気味な生命体が見えた。その時、閉じられた目が開き、巨大な眼球がシンジの視線を捉える。驚愕するシンジは思わず叫び声を上げる――

 ベッドの上で仰向けになって呆然とするシンジ。シャワーを浴びたミサトがシンジの部屋を訪ねる。ミサトは、シンジの背中に向かって「あなたは人に褒められる立派なことをしたのよ」と伝える。

おやすみシンジ君。がんばってね。