漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』第10巻に関する情報です。目次、前巻までのあらすじ、各話に収録された内容を確認することができます。アニメ版との比較や考察の参考資料にお使いください。
イントロダクション
描き下ろしイラストのみ。
PROGRAM - EVANGELION 10
- STAGE.64
- 涙
- STAGE.65
- ひとつになりたい
- STAGE.66
- 心届かず
- STAGE.67
- ねじれた夜
- STAGE.68
- 交錯
- STAGE.69
- 汚れた血
- STAGE.70
- 虚無の群れ
前巻までのあらすじ
トウジを死なせてしまった事で落ち込むシンジの前に、不思議な少年が現れる。フィフス・チルドレンだと名乗るその少年・渚カヲルに、出会ったばかりのレイと同じものを感じるシンジ。シンジに付きまといネルフまできてしまったカヲルは、そこでエヴァとシンクロできずに悩むアスカと小競り合いをする。その直後使徒が襲来。今度の使徒は心理的に不安定なアスカに精神攻撃を仕掛けてきた。母親とのつらく苦しい過去をえぐり出させられてしまうアスカ。「ロンギヌスの槍」でレイが何とか使徒を撃破するがアスカの心はすでに崩壊してしまっていた。アスカの代わりに弐号機のパイロットに就任しシンジ急接近するカヲル、トウジに続きアスカも救えず苦悩するシンジ、そのシンジをそっと見守るレイ…それぞれの心が揺れるなか、さらに新たな使徒が襲い掛かる…。
第10巻の掲載内容
第64話:涙
使徒が零号機に物理的接触、レイが侵蝕攻撃を受ける。カヲルの乗った弐号機も、使徒の攻撃に苦戦し、左足を破断させる。リツコは使徒がエヴァに接触を試みていると推察する。
レイは意識の中で鏡写しになった自分と対峙する。使徒がレイの心に侵入する。痛いでしょ、と言った相手に対して、レイは寂しい、と返す。レイは、使徒を通じて人の心の醜さ、嫉妬、悲しみ、憎しみ、切なさを感じ、涙を流す。
零号機に憑依していた使徒が巨大な腫瘍のように膨張する。ゲンドウは、それを見るなり初号機の凍結を解除、困惑するミサトに対して出撃を命ずる。
第65話:ひとつになりたい
初号機の出撃、シンジはレイの救出へ向かう。零号機に取り付いていた使徒が、本体から人間の手のような触手を伸ばして初号機の腕を掴む。レイは、その光景を見て、あれは自分の心だと感じる。
シンジと繋がりたいと願うレイの心が可視化される。その影響がカヲルの方にも届く。シンジはレイの姿を模してまとわりつく使徒の触手を、プログ・ナイフで傷つける。だが精神攻撃を受けて、思わず綾波と叫ぶ。
レイは零号機のA・T・フィールドを反転させて、自分を犠牲にして使徒を取り込んだ。ゲンドウが叫ぶ。膨張していたコアが一気に崩壊し、臨界点を突破。レイは光の中で、ゲンドウの微笑みを見る。
第66話:心届かず
全ての者がレイの自爆を驚愕の眼差しで見届ける。目標消失、零号機とレイの消息は不明となる。シンジは、着替えることも出来ずにロッカールームに座り込む。カヲルの蛋白な対応に激昂し、拳を振り上げるが意識を失ってしまう。
爆心地に降りたリツコは、エントリープラグの残骸を確認し、極秘にするよう通達する。シンジとカヲルは病院で検査を受ける。レイの喪失に耐え切れずにシンジは涙を流す。
第67話:ねじれた夜
ゼーレは死海文書に書かれたシナリオを急ぐ。数々の失敗に対してゲンドウの解任を目論む。
シンジはカヲルの部屋に入り浸って、現実から目を背ける。カヲルは傷心に浸る少年の気持ちが分からずに、ぶっきらぼうな態度を取る。
ミサトはシンジの帰りを待ちながら、シンジに頼られない自分を振り返る。そこへ、緊急の電話が入る。カヲルはベッドの隣で横になっていたシンジが過呼吸になると、対処のつもりで人工呼吸をしてみる。シンジは驚き、人を好きになる気持ちを知りたがるカヲル。
レイの生存を報せる電話を受け、シンジはミサトと一緒に病院へ駆けつける。シンジは自分を救ってくれた礼を言う。しかし、レイは機械的な態度で、自分は3人目だと漏らす。
第68話:交錯
レイの言った言葉に困惑するシンジとミサト。ゲンドウと冬月がゼーレの対応を講じる。その裏でリツコが委員会に連行される。
シンジはカヲルの部屋を去り、カヲルはゲンキンな奴だ、と不満に思う。シンジはレイの生還を素直に喜べずにいた。聞かれて、ミサトははぐらかすが、そこに隠された謎を疑う。
リツコはゼーレの尋問を受け、レイの代わりにゲンドウが差し出した事を知る。レイは自分が生きていることを疑問に思う。ふいに落ちる涙。レイはおぼろげに残る記憶に、困惑する。
第69話:汚れた血
――2008年、箱根。リツコは母ナオコに連れられて、ゲヒルンの発令所へ来ていた。完成したスーパーコンピューター・マギを見る。マギの説明を聞いていると、ゲンドウが現れる。ゲンドウは、見慣れぬ子供を連れていた。それがレイだった。ナオコはそこにユイの面影を見る。
入所後、リツコは偶然、ナオコとレイが一緒にいる所を目撃する。ナオコは、そこで女としての尊厳を奪われる発言を聞いて激昂し、レイを絞殺してしまう。そのまま、ナオコ自身も投身自殺を行い、帰らぬ人となる。
リツコは知っていた。レイが複数体いることを。しかし、ゲンドウの本性を見誤っていた。リツコはシンジに電話を掛け、復習を企てる。リツコの動きを察したミサトが、地下のゲードで待ち伏せをする。動じないリツコは、シンジの同行を明かし、ゲートを開く。
第70話:虚無の群れ
リツコは地下に作られた秘密施設へ二人を導く。レイの部屋に酷似した空間、エヴァの墓場、そしてレイの秘密の心臓部である、ダミープラグのプラントへ。
リツコは、水槽の電源を入れてミサトとシンジに複製されたレイの個体群を晒す。シンジは真相を知るために気を張るが、考えが追いつかずに脱力する。
リツコは、エヴァがどのようにして生み出されたのかを語り、そこにユイが関係していることを明かす。そして、魂のないただの器は壊すのだと言って、レイの素体を破壊し始める。
シンジは、その光景を目の当たりにして戦慄する。ミサトは銃を構えて相手の正気を疑う。リツコは自分の気持ちを吐露し、母娘揃って大バカ者だ、と言って泣き崩れる。