漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』第11巻に関する情報です。目次、前巻までのあらすじ、各話に収録された内容を確認することができます。アニメ版との比較や考察の参考資料にお使いください。
イントロダクション
描き下ろしイラストのみ。
PROGRAM - EVANGELION 11
- STAGE.71
- アダムの末裔
- STAGE.72
- 最後のシ者
- STAGE.73
- 辿りついた境界線
- STAGE.74
- 手のひらの記憶
- STAGE.75
- 欠けた心
- STAGE.76
- 最後の敵
前巻までのあらすじ
使徒による侵蝕攻撃を受け、自らの本当の気持ちに気付かされるレイ。それは寂しいという気持ち、シンジにを愛おしむ心だった。使徒の攻撃が初号機におおよぼうとした時、レイはシンジを守るために、零号機もろとも自爆する。シンジはレイを失った悲しみに耐え切れず、カヲルの下に身を寄せる。やがて、レイ生存の報せを受け、安堵するシンジだが、再会したレイは、まるで出会った頃のように振る舞い、彼に告げる。「たぶん私は3人目だから」と。一方、事態の真相を探ろうとするゼーレに差し出された赤木リツコは、ネルフに戻されるが、自分がレイの身代わりに差し出された事を知り激しく心を揺れ動かす。ゲンドウに裏切られたリツコはシンジを呼び出し、レイとエヴァそして母親の秘密を明かしてしまう。さらに深い闇を覗いてしまったシンジは…。
第11巻の掲載内容
第71話:アダムの末裔
ミサトはこれまでに手に入れた情報を自室で整理する。セカンド・インパクト、アダム、光の巨人、エヴァ、使徒、ゼーレ、死海文書、ネルフ、レイ、ダミーシステム。加持から受け継いだ意志を、心に固める。
カヲルはレイに接触し、依然の個体との差異を探るように会話する。自分と同じ、しかし違う。それは構成する物質ではなく、誰と出会い、どう生きてきたかが作用すると言う。
シンジは携帯越しの留守番電話に、ケンスケの別れの挨拶を聞く。シンジは、自分の前から誰も友達と呼べる人がいなくなってしまったと嘆く。そこにカヲルが現れる。シンジはカヲルとは友達にならないと言う。シンジの気持ちを知りたいと力説するカヲルに対して、シンジは無関心を貫き決別する。
ゲンドウはリツコに対してダミーシステムを破壊した意図を問う。リツコは女の気持ちで答える。ゲンドウは、最後の使徒との決戦に備えて、密かにアダムの幼体を口にする。
ゼーレはカヲルに今一度組織の目的を言い渡す。アダムから回収した魂はカヲルに宿るが、再生した肉体はゲンドウに取り込まれたのだと。タブリスと呼ばれた少年は、もう一度自分の存在意義を認識する。
第72話:最後のシ者
ミサトは素性の知れないカヲルの動きを監視していた。ミサトはマコトから提供された情報を元に、リツコの幽閉場所に会いに行く。リツコはカヲルの出自を知っていた。そこで、葛城調査隊のデータから知り得た情報を明かす。
カヲルは弐号機を起動させて行動を起こす。司令室が使徒の反応を確認。ゲンドウは初号機の出撃を指示する。隔壁を破って地下深くへ向かうカヲルと弐号機を、シンジが初号機で追う。
シンジは使徒と判明したカヲルと戦いたくないと叫ぶ。カヲルは中空に浮かび、弐号機で初号機を抑え込む。プログ・ナイフの応酬が始まり、切っ先がもつれてカヲルの方に向かった時、カヲルの前に強力なA・T・フィールドが展開される。
第73話:辿りついた境界線
カヲルはA・T・フィールドは誰もが持っている心の壁だと言う。シンジは分からないと叫び、弐号機にプログ・ナイフを突き立てる。ミサトは、もしもの時のためにマコトと策を講じる。
最深部に到達したカヲルは、ヘヴンズドアを開けてアダムに迫る。シンジは追いすがるが、弐号機に阻止される。カヲルは磔にされた巨人を見て、リリスだと気づく。
初号機が弐号機を倒してカヲルに近づく。カヲルは、シンジに対して選択を迫る。人の形をした自分を殺すか、サード・インパクトで世界を滅ぼすか。シンジは戦いを拒むが、カヲルも自分の運命には抗えないと説く。そして、自らの死に方を、シンジの手に委ねる。
第74話:手のひらの記憶
司令室は信号を遮断され地下の様子を観測できない。シンジは葛藤の末に、その手で――エヴァの手を通してカヲルの首を締める。シンジがやり遂げたことを、ミサトは間接的に悟る。
ミサトはシンジに正しいことを遂行したのだと言う。シンジは、本当に守るべき存在の意味を見失う。この世界が、絶対に守らなければならないものなのか、自分の胸に問う。
第75話:欠けた心
シンジはミサトに連れられてネルフへ向かう。ミサトの正論を聞いて苛立ち、反抗的な態度で別れる。
オペレーターのマヤ、マコト、シゲルは、ネルフ解体の噂を聞き議論する。裏ではゼーレがゲンドウの処分を計画する。
シンジは病室で寝たきりのアスカを尋ねる。アスカが突然発狂し、シンジは外に追い出される。廊下でゲンドウとレイの姿を目撃する。依然とは変わってしまったレイの視線を受けて、シンジは孤独に膝を折る。
第76話:最後の敵
ネルフの情報網へ侵入したミサトは、補完計画の裏側を盗み見る。その時、外部からマギへのハッキングが開始される。そしてネルフの特権が剥奪され、指揮権の委譲が発覚する。
リツコは母の残した裏コードを頼りにマギの防壁を固める。ゼーレは、一時的に危機を回避したネルフに対して、実力行使を行う。ゲンドウは軍の動きを察知し、第一種戦闘配置を指示。人に対してこれを使うのは異例の事態だった。
シンジは出動しなければ、と思いながら動けない。軍がネルフに強行突入を仕掛ける。ミサトは、エヴァのパイロットが狙われる事を想定し、保護を最優先に動く。