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【エヴァ】碇シンジのセリフ集・名言まとめ

碇シンジ(エヴァンゲリオンに登場するキャラクター)
出典『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

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 エヴァンゲリオンに登場するキャラクター・碇シンジのセリフ集です。各話ごとにパート分けした項目から、目的のセリフを探すことができます。二次創作物や考察の参考資料としてお使い下さい。

掲載するにあたって「はい」や「うん」などの短いパート、うめき声や息遣いなどの演技は省略している場合があります。また、セリフパートの仕分けは便宜的なもので、映像のカット数を示すものではありません。

TVシリーズ:シンジのセリフ集

第1話「使徒、襲来」

第1話のストーリーを読む 〉

あ、だめか。やっぱり来るんじゃなかった。待合せは無理か……しょうがない、シェルターへ行こう

えぇ。口の中がシャリシャリしますけど

いえ、僕の方こそ、葛城さん

あの、ミサトさん、あの、ミサトさん!

いいんですか、こんなことして

説得力に欠ける言い訳ですね

そうですか……

ミサトさんこそ、年のわりに子供っぽい人ですね

特務機関ネルフ?

父のいる所ですね

人類を守る、大事な仕事だと先生からは聞いてます

これから、父の所へ行くんですか?

(父さん……)

あっ、はい。どうぞ

ネルフ?

凄い! ほんとにジオフロントだ

さっき通りましたよ、ここ

あっ、はい

あっ、あの! 真っ暗ですよ?

顔……? 巨大ロボット!?

これも、父の仕事ですか?

父さん……

父さん……なぜ呼んだの?

じゃあ、僕にこれに乗って、さっきのと戦えって言うの?

嫌だよそんなの! 何を今更なんだよ! 父さんは僕がいらないんじゃなかったの?

なぜ、僕なの?

そんな、見たことも聞いたこともないのに、出来るわけないよ!

そんな、できっこないよ! こんなの乗れるわけないよっ!

嫌だよ……せっかく来たのに、こんなのないよっ!

分かってるよ……でも、できるわけないよ!

(やっぱり僕は、いらない人間なんだ……)

(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!)

やります、僕が乗ります!

なっ、何ですか、これ。うわっ、あっ、うっ!

ぶはっ! うわっ、気持ち悪い

第2話「見知らぬ、天井」

第2話のストーリーを読む 〉

(歩く……)

(歩くっ!)

知らない天井だ……

いいんです、一人のほうが。どこでも同じですから

何をですか?

どこへですか?

何だか……さびしい街ですね

凄い! ビルが生えてく!

あ、あの……お邪魔します

あっ……たっ、ただいま

(これが、ちょっち?)

氷、ツマミ、ビールばっかし。どんな生活してんだろ

あの、あっちの冷蔵庫は?

寝てる?

いただきます……

いえ、あの、こういう食事、慣れてないんで

えっ、いや、あの、違うんです……あのう

うわぁぁぁーっ! ミミミ、ミサトさんっ!

あぁっ! あっ、あぁっ! あれっ!

(葛城ミサトさん……悪い人じゃないんだ……)

(でも、風呂って嫌なこと思い出すほうが多いよな……)

(父さんと)、綾波レイか……

(ここも、知らない天井……当たり前か、この街で知っているとこなんて、どこにも無いもんな……)

(なんでここにいるんだろう……)

うわあぁぁぁぁ!

第3話「鳴らない、電話」

第3話のストーリーを読む 〉

慣れました。悪くないと思います

たぶん……

スイッチ……

目標をセンターに入れてスイッチ……、目標をセンターに入れてスイッチ……、目標をセンターに入れてスイッチ……、目標をセンターに入れてスイッチ……、目標をセンターに入れて――

ねえミサトさん、もう朝なんですけど

じゃ、僕……

行ってきます

いや、あの、そういうの、秘密で……

よくわかんないけど、みんなが、エヴァとか初号機って……

何とかナイフっていって、振動が……えっと、超音波みたいので……

僕だって、乗りたくて乗ってるわけじゃないのに

(父さんがいないのに、なんでまた乗ってるんだろう)

(人に殴られてまで……)

目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ――

逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ

うわあぁぁぁぁぁぁっ!

第4話「雨、逃げ出した後」

第4話のストーリーを読む 〉

帰らなきゃ

ごめんなさい

分かってますよ、ちゃんと。もういいじゃないですか、勝ったんだから

いいですよ、そんなの

誉められるも何も、どうせ僕しか乗れないんでしょ、乗りますよ

生態系が戻ってる、って、ミサトさんが言ってた

やめた方がいいよ。お母さんが心配するから

いつも、こんなことしてるの?

ゲリラ戦にでもなったときのための、訓練?

別に……

叱らないんですね、家出のこと。当然ですよね、ミサトさんは他人なんだから

もし僕が乗らないって言ったら、初号機はどうするんですか?

そんなことできるわけ無いじゃないですか。彼女に全部押し付けるなんて。大丈夫ですよ、乗りますよ

そりゃそうでしょ、第一僕には向いてませんよ、そういうの。だけど、綾波やミサトさんやリツコさ――

あ、ミサトさんはどこですか? 一言お別れを……

あの、ちょっといいですか? あの、ありがとう

そんなこと出来ないよ!

でも……

じゃあ、一発だけ……

どうして、ここが?

殴られなきゃならないのは僕だ! 僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で……

た、ただいま……

第5話「レイ、心のむこうに」

第5話のストーリーを読む 〉

これが……僕たちの敵なのか

あ、い、いえっ、別に……

あの、父さん、手に火傷してるみたいなんだけど

どうしたのかな、っ思って

パイロットって、綾波ですよね?

父さんが?

いや、別に

ち、違うよ!

だから、そんなんじゃないって!

どうしてあいつ、いつも一人なんだろうって思ってさ

ほとんど口、訊かないから……

ミサトさんは?

本気、ですか?

もう慣れましたから

何ですか?

ちっ、違うよ!

からかわないでよ、もう!

僕はただ、同じエヴァのパイロットなのに、綾波のことよく分からなくて

不器用って、何がですか?

ごめんください……

ごめんください。碇だけど……綾波、入るよ

……綾波のかな?

いっ、いやあのっ、僕は、別にっ! うわぁ!

あっ! ああ、あ、あのっ!

いやっ、僕は、そのっ……。僕は、た、頼まれて、つまり、何だっけ……カード、カードが新しくなったから、と、届けてくれって……だから、だから、別にそんなつもりは……

リツコさんが渡すの忘れたからって、ほ、ほんとなんだ。それにチャイム鳴らしても誰もでないし、鍵が、開いてたんで、その……

これ、綾波の新しいやつ。リツコさんに頼まれて……

さっきは、ごめん

あの、今日、これから再起動の実験だよね。今度はうまく行くといいね

ねえ、綾波は恐くないの? またあの零号機に乗るのが

前の実験で、大怪我したんだって聞いたから……平気なのかなって思って

当たり前だよ! あんな父親なんて!

解除確認

第6話「決戦、第3新東京市」

第6話のストーリーを読む 〉

ん……ああ、綾波?

ん? うわっ! ごめん……

昨日から、謝ってばかりだ……

何も、食べたくない

また、あれに乗らなきゃならないのかな

僕は……嫌だ。綾波はまだあれに乗って、恐い目にあったことが無いからそんなことが言えるんだ! もうあんな思い、したくない

寝てたらって……?

リツコさんが?

でも、こんな野戦向きじゃない兵器、役に立つんですか?

大丈夫ですよね

そんなこと、まだ練習してないですよ

じゃあ、もし外れて敵が撃ち返してきたら?

(大ピンチ、って事か)

これで死ぬかもしれないね

綾波はなぜこれに乗るの?

絆?

父さんとの?

強いんだな、綾波は

ほかに何も無いって……

綾波っ!

早く……

早く!

綾波っ!

綾波! 大丈夫か! 綾波っ!

自分には、自分にはほかに何も無いなんて、そんなこと言うなよ

別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ

笑えば……いいと思うよ……

第7話「人の造りしもの」

第7話のストーリーを読む 〉

おはようございます

コーヒーじゃないんですか?

ミサトさんが、でしょ?

大体、今朝の食事当番は、誰でしたっけ?

ミサトさんがその歳でいまだに一人なの、分かったような気がします

ずぼらも、でしょ?

ご馳走さま

本当に今日学校くるんですか?

でも、仕事で忙しいのに

仕事……ですか

ミサトさん、そんな格好で出て行かないでよ。恥ずかしいから

早く行こうよ

そうかなぁ……

そうかなぁ……

(トウジたちはあの人のだらしなさを知らないんだ)

苦労すると思うよ

(地球の平和か……そのためのエヴァ。エヴァって何なんだろう。血の匂いがするエントリープラグ。なのに、どうして落ち着くんだろう)

結局、僕は何も分かってないんだ

じゃあ、南極大陸が蒸発した、セカンドインパクトって……

じゃあ、僕らのやっていることは……

お、おはようございます

乗るんですか? ミサトさんが?

そんな無茶な!

でも、危なすぎますよ!

じゃなくって、ミサトさんが!

了解!

追いついた!

ミサトさん!

気をつけて!

止まれ! このぉーっ!

ミサトさん、急いで!

ミサトさん! 逃げて!

ミサトさん!

ミサトさん!

ミサトさん、大丈夫ですか、ミサトさん!

良かった、無事なんですね! 良かった、本当に良かった。でも凄いや、僕、見直しちゃいました。本当に奇跡は起きたんですね!

おはよう、行ってきます!

僕もそう思ったけど、家の中じゃみっともないよ。ほんと、ずぼらだし、かっこ悪いし、つくづくだらしないし! 見てるこっちが恥ずかしいよ

どうして?

どうして!?

第8話「アスカ、来日」

第8話のストーリーを読む 〉

えぇ?

で、どこに行くの

でっかいなあ……

ふぁ~あ……

まるでリツコさんみたいだ

えっ、ええ。あれ? どうして僕の名前を?

いや、そんな……偶然です

にぎやかで面白い人ですね。加持さん

赤いんだ、弐号機って。知らなかったな

あ、あ、何だろう?

あれは! まさか、使徒?

どうしよう、ミサトさんの所に戻らなくっちゃ!

ねぇ、どこ行くんだよ!

何だよ、もう

ごめん!

ねぇ、プラグスーツに着替えて、どうすんだよ!

そんなぁ。ミサトさんの許可は?

バグだ。どうしたの?

分かったよ……バウムクーヘン

海に落ちたらやばいんじゃない?

来た!

あっち!

あと58秒しかないよ!

跳ぶ?

来るよ、左舷九時方向!

でも、武装が無い

結構でかい!

何とかしなくちゃ

また来た!

B型装備じゃねぇ

どうするって……

来たっ!

使徒だからね……

これじゃピンチに逆戻りだ

でも、何とか離れないと

何とかやってみるよ

でも、早く口をこじ開けないと、僕らもやられちゃうよ!

だめだ!

何が!

分かってる!

開け、開け、開け、開け!

第9話「瞬間、心、重ねて」

第9話のストーリーを読む 〉

グ、グーテンモルゲン……

誰が?

ああ、綾波なら……

了解!

仕方ないよ、作戦なんだから

はっ、来た!

援護!?

ちぇ、後から来たくせに、仕切るなよな

お見事

何言ってんだよ、惣流が間抜けなことしただけじゃないか!

何だよ! 焦って倒そうとするから大変なことになるんだろ!

自分だって人のこと言えないくせに!

なんで、こんな奴と!

あの、ミサトさんは?

ただいまー、って言ったって誰もいない、か……

な、何だこれ!

なんで惣流がここにいるんだよ

まだって?

ミサトさん

何がですか?

どうして?

はーい!

こ、これは日本人は形から入るものだって、無理やりミサトさんが

誤解だよ!

そんな、見返すだなんて

仕事。今夜は徹夜だって、さっき電話が

自分だって子供のくせに……

了解!

分かってるよ。62秒でケリをつける

そんな! そっちが突っ掛かってきたんじゃないか!

今日の戦いのためのイメージトレーニングだよ!

ずるいよ、起きてたなんて!

してないよ、途中でやめたんだよ!

そっちこそ、寝言と寝相が悪いのが悪いんじゃないか!

第10話「マグマダイバー」

第10話のストーリーを読む 〉

いや、僕は多分こういうことになるんじゃないか、と思って

そういう言い方はやめてよ

理科の勉強

そんな事言ったって、やらなきゃいけないんだから……うっ!

そ、そう!?

どうしてこんな難しいのができて、学校のテストが駄目なの?

それって、日本語の設問が読めなかった、って事?

大学?

あ、熱膨張に関する問題だよ

そりゃそうだけど……

そ、そんな事聞かれたって、わかんないよ!

これが使徒?

(でも、また僕なんだろうな……)

あの……僕が

何ですか、あれ

そんな命令、誰が出すんですか!?

アスカ、大丈夫?

そうだ!

加持さんから? 何だろう?

風呂はそこを左だよ

はぁ~ぁ。極楽極楽

風呂がこんなに気持ちいいものだなんて、知らなかったなぁ

うん、行くよ!

う……ごめん

膨張してしまった……恥ずかしい

第11話「静止した闇の中で」

第11話のストーリーを読む 〉

あ、あの……父さん

あ……あの……実は今日、学校で進路相談の面接があることを父兄に報告しとけって、言われたんだけど

そっかなぁ……途中で切ったって言うより、何か故障した感じだったんだけど

とにかく、ネルフ本部へ連絡してみようよ

どうしよう……

何してるの?

でも、ドアは動かないんじゃ……手動……ドア

こんな時だけ、人に頼るんだもんなぁ

いつもなら2分で行けるのに……ここ、ほんとに通路なの?

さっきから四回も聞いたよ、そのセリフ

日向さんだ! おぉい!

使徒接近!?

ねぇ、使徒って何なのかなぁ?

使徒。神の使い。天使の名を持つ僕らの敵。なんで戦うんだろう

あの……どっちかな?

やっぱり変だよ、上り坂だよ、ここ

まただ……

こんな時に、やめようよ

これは、手じゃ開けられないよ

仕方ないだろ! 前見なきゃ進め――

エヴァは?

何も動かないのに?

父さんの?

どうすんの?

だからどうやってだよ! ライフルは落としちゃったし、背中の電池は切れちゃったし、あと3分も動かないよ!

そんな、危ないよ

綾波!

アスカ、よけて!

電気……人工の光が無いと、星がこんなにきれいだなんて、皮肉なもんだね

だから人間って特別な生き物なのかなぁ。だから使徒は攻めてくるのかな

第12話「奇跡の価値は」

第12話のストーリーを読む 〉

まだ寝てるのかなぁ。最近徹夜の仕事が多いんだ

雨宿り

どうしたの? ミサトさんに何かあったの?

いつのまに……

何がですか?

あ、あの、昇進おめでとうございます

それ分かります。僕もさっきみたいに誉められてもあまり嬉しくないし、逆にアスカを怒らせるだけだし。どうして怒ったんだろう……何が悪かったんだろう

いえ、ただ苦手なんです。人が多いのって。なんでわざわざ、大騒ぎしなきゃならないんだろう

昇進ですか。それってミサトさんが人に認められたって事ですよね

だから、みんなこうして喜んでいるわけですよね。でも嬉しくないんですか?

じゃあ、なんでここに……ネルフに入ったんですか?

父さん、ここにいないんですか?

使徒がコースを大きく外れたら?

勝算は?

僕もいいです

ご馳走といえばステーキで決まりか

仕方がないよ、そんなの

それでミサトさんが気持ちよく指揮できるんなら、いいじゃないか!

どうして?

端っこまで随分ありますよ

勘?

ミサトさんのクジって、当たった事ないんだ

アスカはなぜエヴァに乗ってるの?

自分の存在を?

綾波には、前聞いたんだ

そんなんじゃないよ

分からない

……そうかもしれない

(父さんと同じだ……)

(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!)

(そう、逃げちゃダメだ)

行くよ!

スタート!

フィールド全開!

今だ!

あ、はい

え? はい

ねぇ、ミサトさん……

さっき、父さんの言葉を聞いて、誉められることが嬉しいって、初めて分かったような気がする

それに、分かったんだ。僕は、父さんのさっきの言葉を聞きたくて、エヴァに乗ってるのかもしれないって

第13話「使徒、侵入」

第13話のストーリーを読む 〉

うん。いつもと違う気がする

何がどうなっているんだろう?

第14話「ゼーレ、魂の座」

第14話のストーリーを読む 〉

何だか、変な気分です

いえ、ただ、綾波の匂いがする

何だこれ、頭に入ってくる……直接……何か

綾波? 綾波レイ? 綾波レイだよな、この感じ……綾波……違うのか?

嫌だな、またこの天井だ

第15話「嘘と沈黙」

第15話のストーリーを読む 〉

ごめん

明日、父さんに会わなきゃならないんだ

なに話せばいいと思う?

いつか、綾波が父さんと楽しそうに話ているのを見たから

ねぇ、父さんって、どんな人?

うん。あ、掃除のときさ、今日の、雑巾絞ってたろ? あれって、何か、お母さん、って感じがした

うん。何か、お母さんの絞り方、って感じがする。案外、綾波って主婦とかが似合ってたりして。あは、は……

分かってるよ!

(いって)きます

僕は、あの時逃げ出して、その後は来てない。ここに母さんが眠ってるって、ピンと来ないんだ。顔も覚えてないのに

写真とかないの?

先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね

父さん!

あの、今日は嬉しかった。父さんと話せて

5歳のときから始めてこの程度だからね。才能なんて別にないよ

先生に言われて始めた事だし、すぐやめてもよかったんだ

誰もやめろ、って言わなかったから

早かったんだね、夕飯、食べてくるんだと思った

それはないと思うな

はい、はい。じゃ

うん。遅くなるから先に寝ててって

まさか。加持さんも一緒なのに

え? 何?

……どうして?

退屈だからって、そんな……

別に

恐かないよ! キスくらい!

加持さん!

おやすみなさい

どうしたの? 元気ないね

第16話「死に至る病、そして」

第16話のストーリーを読む 〉

ええ、カツオだし。リツコさんのお土産

ごめん

ごめん

ミサトさん! 今のテストの結果、どうでした?

はぁ?

行けるよ!

お手本見せてやるよ、アスカ!

言ったでしょ、ミサトさん? ユーアーナンバーワン、って

戦いは男の仕事!

綾波、アスカ! そっちの配置はどう?

(まだか……)

(こっちで、足止めだけでもしておく!)

はっ! か、影が!

何だよこれ、おかしいよ!

ミサトさん! どうなってるんですか! ミサトさん! アスカ、綾波、援護は!? ミサトさん! 聞こえてます!? ミサトさん!

ミサトさん! ミサトさん!

眠る事がこんなに疲れるなんて、思わなかったな

やっぱり真っ白か。レーダーやソナーが返ってこない。空間が広すぎるんだ

生命維持モードに切り替えてから12時間……僕の命も後4、5時間か……お腹空いたな

ん? 水が濁ってきてる!? 浄化能力が落ちてきてるんだ

うっ! 生臭い! 血? 血の匂いだ!

嫌だ! ここは嫌だ! なんでロックが外れないんだよ!

開けて! ここから出して! ミサトさんどうなってるんだよ! ミサトさん! アスカ! 綾波! ……リツコさん……父さん……

お願い、誰か、助けて……

誰?

碇シンジ

それは僕だ!

僕は君だよ。人は自分の中にもう一人の自分を持っている。自分と言うのは常に二人でできているものさ

二人?

実際に見られる自分とそれを見つめている自分だよ。碇シンジと言う人物だって何人もいるんだ

君の心の中にいるもう一人の碇シンジ、葛城ミサトの心の中にいる碇シンジ、惣流アスカの中のシンジ、綾波レイの中のシンジ、碇ゲンドウの中のシンジ

みんなそれぞれ違う碇シンジだけど、どれも本物の碇シンジさ。君はその他人の中の碇シンジが恐いんだ

他人に嫌われるのが恐いんだよ!

自分が傷つくのが恐いんだよ

悪いのは誰だ?

悪いのは父さんだ! 僕を捨てた父さんだ!

悪いのは自分だ!

何もできない自分なんだ!

嫌いだと思う。でも今は分からない

父さんが、僕の名前を呼んだんだ。あの父さんに誉められたんだよ!

その喜びを反芻して、これから生きていくんだ?

その言葉を信じたら、これからも生きていけるさ!

自分を騙し続けて?

みんなそうだよ、誰だってそうやって生きてるんだ

自分はこれでいいんだ、と思いつづけている。でなければ生きていけないよ

僕が生きていくには、この世界には辛い事が多すぎるんだ

例えば、泳げないこと?

人間は浮くようにはできていないんだよ!

自己欺瞞だね

呼び方なんか、関係ないさ

嫌なことには目をつぶり、耳をふさいできたんじゃないか!

嫌だ! 聞きたくない!

ほら、また逃げてる

楽しいことだけを数珠のように紡いで生きていられるはずが無いんだよ、特に僕はね

楽しいこと見つけたんだ。楽しいこと見つけて、そればっかりやってて、何が悪いんだよ!

父さん、僕はいらない子供なの? 父さん!

自分から逃げ出したくせに

違う!母さんは……笑ってた

ここは嫌だ……一人はもう、嫌だ

保温も、酸素の循環も切れてる……寒い……だめだ、スーツも限界だ。ここまでか……もう疲れた……何もかも

お母さん!?

ただ会いたかったんだ、もう一度

うん。でも、もう大丈夫だよ

取れないや、血の匂い

第17話「四人目の適格者」

第17話のストーリーを読む 〉

ケンスケ、どうしたの?

き、昨日は宿題で作る暇なかったんだよ

違うよっ!

綾波、入るよ

しょうがないよ、ここに入れても見ないだけだし

お邪魔するよ

片づけてるだけだよ

うん。でもミサトさんに嫌われるよ、そういうの

何が?

ごめん、かってに片づけたよ。ごみ以外は触ってない

ミサトさん

リツコさんが、明日からの出張の打ち合わせだって

僕、男ですよ

加持さんって、もっとまじめな人だと思ってました

あ、すみません!

スイカ、ですか?

辛い事もでしょ

好きじゃないです

昨日の新横須賀、どうだったの?

エヴァ3号機?

知らないなぁ

ほんとに聞いてないよ!

知らないよ

分からないよ、そんなの

ほんとに知らないんだよ

何それ?

ほんとに?

ミサトさんからは、何も聞いてない

トウジは?

第18話「命の選択を」

第18話のストーリーを読む 〉

あの、アスカは?

どうしてですか?

あの、ところで

4号機が欠番っていう噂、本当ですか? 何か事故があって爆発したって

でも、アメリカから3号機が来るって。松代でするんでしょ、起動実験

でも実験は

でもパイロットは?

どうしたの? 先に出たのに、ずいぶん遅かったじゃない

いないんだよ

うん。変だよね、このごろ

そういえばさぁ

3号機って、誰が乗るのかな?

誰?

もう寝ました? 加持さん

僕の父さんって、どんな人ですか?

加持さん、ずっと一緒にいるみたいだし

ずっと、一緒にいなかったから

でも、このごろ分かったんです、父さんのこといろいろと。仕事のこととか。母さんのこととか。だから

ミサトさんとも、ですか?

僕には大人の人は分かりません

うん。昨日着いたみたいだけど

まさか!

松代で事故? そんな、じゃ、ミサトさんたちは

そんな、どうしよう

でも、使徒相手に僕らだけで

父さんが?

えっ? まさか、使徒? これが使徒ですか?

目標って、これはエヴァじゃないか

やっぱり、人が……子供が乗ってるのかな……同い年の

アスカ?

アスカ!?

そんな……

でも目標って言ったって

人が乗ってるんじゃないの?

同い年の子供が

エントリープラグ……やっぱり、人が乗ってるんだ!

だって、人が乗っているんだよ、父さん!

でも、でも、できないよ! 助けなきゃ……人殺しなんてできないよ!

いいよ、人を殺すよりはいい!

何だ? 何をしたんだ、父さん!

やめてよ!

父さん、やめてよ、こんなのやめてよ!

くそ、止まれよ

止まれ、止まれ、止まれ、止まれ! 止まれ、止まれ、止まれ、止まれ! 止まれ、止まれ、止まれ、止まれ! 止まれ! 止まれ! 止まれ! 止まれ! 止まれ!

やめろーっ!

やめろーーーーーーっ!

ミサトさん……無事だったんですね?

ミサトさん……僕は……僕は人を……父さんが……やめてって頼んだのに

生きてた!?

トウジ?

第19話「男の戰い」

第19話のストーリーを読む 〉

そんなの関係ないよ

そんなこと言って、これ以上僕を怒らせないでよ

初号機に残されている後185秒、これだけあれば、本部の半分は壊せるよ!

そんなの関係ないって言ってるでしょう!

父さんは、あいつは、トウジを、殺そうとしたんだ! この僕の手で!

父さん! そこにいるんだろ! 何か言ってよ、答えてよ!

まだ直結回路が残っ……がはっ!

ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう――

許せなかったんだ、父さんが。僕を裏切った父さんが

せっかくいい気持ちで父さんと話ができたのに、父さんは僕の気持ちなんか分かってくれないんだ

分かろうとした

分かろうとしたんだよ!

いいじゃないか! いやなことから逃げ出して、何が悪いんだよ!

はい、僕はもう、エヴァに乗りたくありません。ここにもいたくありません

はい。先生の所へ戻ります

はい、そのつもりです

アスカはあきれてこないでしょうね

彼女らしいです。安心しました

それはミサトさんの生き方です。僕にはできません

一つだけ教えてください。なぜトウジなんですか? フォースチルドレンが

みんなが……クラスのみんなが

勝手な言い分ですよね

無駄ですよ、片付けておいてください

僕はもう、エヴァには乗りません

使徒だ

(僕はもう、乗らないって決めたんだ)

アスカ……

加持さん。何やってるんですか、こんな所で

僕は、僕はもうエヴァには乗らないから……そう決めたから

こんな時にですか?

死ぬ……

綾波!? ライフルも持たずに!

乗せてください!

僕を、僕をこの初号機に乗せてください!

僕は……僕はエヴァンゲリオン初号機のパイロット、碇シンジです!

ミサトさん!

エネルギーが切れた!?

動け、動け、動け! 動け、動いてよ! 今動かなきゃ、何にもならないんだ!

動け、動け、動け! 動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動いてよ!

今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ! もうそんなの嫌なんだよ!

だから、動いてよ!

第20話「心のかたち 人のかたち」

第20話のストーリーを読む 〉

何だ、これ? どこだ、ここ? エントリープラグ? 初号機の? でも誰もいない。僕もいない

何だこれ、何だこれ、何だこれ? よくわかんないや

この人達……そう、僕の知っている人たち、僕を知っている人たち

そうか、みんな僕の世界なんだ

これは? 僕の世界のはずなのに、良く分からない、外からのイメージ、嫌なイメージ

そうだ、敵だ!

テキ、てき、敵、敵! 使徒と呼ばれ天使の名を冠する僕らの敵!

エヴァの……そしてネルフの目標……ミサトさんのお父さんの仇

なんで僕が戦うんだろう……こんな目に遭ってまで

理由なんて要らないのかな……考えちゃいけないのかな

テキ、てき、敵、敵、みんな敵! 僕を……僕らを脅かすもの、つまり敵

そうさ、自分の命を、自分達の命を、自分で守って、何が悪いんだ!

テキ、てき、敵、敵、僕の敵! 僕の敵!

チクショウ、ちくしょう、畜生、よくもトウジを傷つけ、母さんを殺したな!

父さん!

当たり前だよ! あんな父親なんて

当たり前だよ……ほとんど会った事もないんだもの

そうさ、父さんは僕がいらないんだ、父さんが僕を捨てたんだ!

そうさ! そうに決まってる! 綾波がいるから僕は捨てられたんだ!

うるさい、うるさい、うるさい! 父さんがみんな悪いんじゃないか! あの時だって、ほんとは父さんに嫌いだって言うつもりで!

これに乗って、恐い目に遭えって言うの? 父さん

何だよ、嫌だよ、何を今更なんだよ。父さんには僕がいらないんじゃなかったの?

なぜ、僕なの?

無理だよそんなの、見た事も聞いた事もないのにできるわけないよ!

違う、僕は知っていた

そうだ、僕はエヴァを知ってた!

そしてあの時、僕は逃げ出したんだ!

父さんと母さんから!

優しい……あったかい

人の温もりなのかな、これが……知らなかったな

これまで分からなかった。でも今は分かるような気がする

これまでは分からなかった。でも今は分かる気がする

それは、僕がエヴァのパイロットだから

僕がエヴァに乗っているから、大事にしてくれる。それが、僕がここにいてもいい理由なんだ。僕を支えている全てなんだ

だから僕は、エヴァに乗らなきゃいけない

敵……そう、みんなが敵と呼んでいるものと戦わなきゃいけない

勝たなきゃいけない。そう、負けちゃいけないんだ

みんなの言う通りにエヴァに乗って、みんなの言う通りに勝たなきゃいけないんだ

そうじゃないと、誰も、誰も……誰も………

ミサトさんも、リツコさんも、アスカも、トウジも、ケンスケも、父さんも、誉めてくれるんだ

エヴァに乗ると誉めてくれるんだ! こんな僕を

みんなも乗れ、って言ってるんだ。父さんを……僕を捨てた父さんを見返してやるんだ!

僕は頑張ってる。頑張ってるんだ!

誰か僕に優しくしてよ。こんなにまで戦ったんだ。こんなに一生懸命戦っているんだ

僕の事を大事にしてよ、僕に優しくしてよ!

分からない、分からない……僕は……僕は……

ここは……

エヴァの中だよ

エヴァの中? 僕はまた、エヴァに乗ったのか。どうして……

僕はエヴァにはもう乗らないって、決めたんです

僕は……僕は……

匂い……人の匂い

ミサトさん?

綾波?

いや、違う

そうだ、お母さんの匂いだ

母さん……

母さん……

第21話「ネルフ、誕生」

第21話のストーリーを読む 〉

その時僕は、ミサトさんから逃げる事しかできなかった。他には何もできない、何も言えない子供なんだと、僕は分かった

第22話「せめて、人間らしく」

第22話のストーリーを読む 〉

はい、もしもし?

ドイツから国際電話。アスカに。お母さんから

(知らない言葉で話ていると、まるでアスカが知らない人みたいだ)

(母さんか……)

ずいぶん長電話だったじゃない

いいなぁ、家族の会話

ごめん

僕が初号機で出ます!

だったら、やられなきゃいいんでしょう!?

でも、このままじゃアスカが!

良かったね、アスカ!

第23話「涙」

第23話のストーリーを読む 〉

(ミサトさん、今日も篭りっぱなしだ)

(アスカ、今日も戻らないつもりかな)

サトさん……出ないんだ、涙。悲しいと思ってるのに、出ないんだよ。涙が

やめてよ! やめてよ、ミサトさん!

綾波!

良かった、綾波が無事で

あの、父さんは来てないんだ……

ありがとう、助けてくれて

何がって、零号機を捨ててまで助けてくれたんじゃないか、綾波が

うん……覚えてないの?

はい、もしもし?

リツコさん……

まるで綾波の部屋だ……

ここが?

エヴァ?

エヴァの墓場……

綾波……レイ?

ヒト……人間なんですか!?

第24話「最後のシ者」

第24話のストーリーを読む 〉

綾波レイ。やっぱりそうなのか? あの感じ。母さんの。綾波レイを、母さんを、何をしているんだ、父さん!

(どこに行ったんだろう……アスカ)

(でも会ってどうするんだ……綾波の話でもするのか?)

(トウジもケンスケもみんな家を失って他の所へ行ってしまった。友達は……友達と呼べる人はいなくなってしまった……誰も)

(綾波には会えない……その勇気がない。どんな顔をすればいいのか、分からない。アスカ、ミサトさん、母さん! 僕はどうしたら……どうすればいい?)

僕の名を?

そうかな……あの、君は?

フィフスチルドレン? 君が、あの、渚君?

僕も、シンジでいいよ

いや、別に、あ、そんなつもりじゃ

あの、定時試験も終わったし、後はシャワーを浴びて帰るだけだけど……でも、本当はあまり帰りたくないんだ。このごろ

そうかなぁ

いや、別に、そういうわけじゃないけど

時間だ……

うん、もう寝なきゃ

あっ、いや、カヲル君には部屋が用意されていると思うよ。別の……

僕が?

コウイ?

いいよ、僕が無理言って泊めてもらってるんだ、ここでいいよ

いろいろあったんだ、ここに来て

来る前は、先生の所にいたんだ。穏やかで何にもない日々だった。ただそこにいるだけの

でもそれでも良かったんだ。僕には何もすることがなかったから

別に、どうでも良かったんだと思う

ただ、父さんは嫌いだった

(どうしてカヲル君にこんな事話すんだろう)

嘘だ嘘だ嘘だ! カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!

裏切ったな……僕の気持ちを裏切ったな…父さんと同じに裏切ったんだ!

いた!

カヲル君!

アスカ、ごめんよ!

カヲル君! やめてよ、どうしてだよ!

はっ――A・T・フィールド!?

そんなの分からないよ、カヲル君!

うっ、くっ、カヲル君!

待てっ!

何だ?

カヲル君……どうして

何を……カヲル君……君が何を言っているのか分かんないよ! カヲル君!

カヲル君が好きだって言ってくれたんだ。僕のこと……初めて……初めて人から好きだっていわれたんだ

僕に似てたんだ……綾波にも。好きだったんだ。生き残るならカヲル君のほうだったんだ

僕なんかより、彼のほうがずっといい人だったのに……カヲル君が生き残るべきだったんだ

冷たいね……ミサトさん

第25話「終わる世界」

第25話のストーリーを読む 〉

だって、仕方なかったんじゃないか!

だって、カヲル君は、彼は、使徒だったんだ!

違う、使徒だ、僕らの敵だったんだ!

違う、違う、違うんだ!

違う……使徒だったんだ

そうさ……ああしなければ僕らが死んじゃう、みんなが殺されちゃうんだ

好きでやったんじゃない! でも仕方なかったんだ

助けて

誰か助けて

お願いだから誰か助けてよぉぉぉっ!

そうだ、生き残るならカヲル君のほうだったんだ。僕なんかよりずっと彼のほうがいい人だったのに

カヲル君が生き残るべきだったんだ

そうかな。本当にこれでよかったのかな。分からない……僕はどうしたらいい……どうしたらいいんだよ!

何が……自分が

嫌われること

誰に……誰だ……それは……父さんだ!

父さんに捨てられた、嫌われたんだ! 嫌われたらどうしよう……どうしたらいいんだろう

どこだろう、ここ。どこに行けばいいんだろう。何も見えない。何も分からない

ミサトさん? ミサトさん、ねぇ、どこ行っちゃったの、ミサトさん。ねえ、僕はこれからどこへ行けばいいんだ

ミサトさん、アスカ、綾波! トウジ! ケンスケ! リツコさん! 加持さん! 父さん……母さん……

誰か教えてよ、どうしたらいいのか教えてよ

エヴァンゲリオン初号機……結局僕は、これに乗るしかないのか。好きな人を殺してまで

父さんやみんなの言う通りに、またこれに乗って戦えって言うの? 母さん! 何か言ってよ、答えてよ!

みんなが乗れって言うから

みんなの、それがみんなのためなんだからいいじゃないか

そうだよ。いいことじゃないか、とってもいいことじゃないか!

そうすればみんなが誉めてくれる、大事にしてくれるんだ!

そうかなぁ

そうなのかな

そうなのかな

そうかもしれない

そうかもしれない

何だ? この感触。前に一度あったような……自分の体の形が消えていくような。気持ちいい……自分が大きく広がっていくみたいだ。どこまでも、どこまでも

ミサトさんの心の中にいる、僕の心ですよ

僕は僕を見つけるために、いろいろな人と触れ合わなければいけない

僕の中を見つめなければいけない

僕の中のミサトさんを見つめなければいけない

ミサトさんは、何を願うの?

やめてよ! ミサトさん!

そうしないと、僕らは生きていけないのか……一緒にいないと恐いんだ

アスカの心の中にいる、僕の心だよ

アスカは何を願うの?

僕を見捨てないで

これは何?

これが?

これが事実……全ての結果なのか? これが?

僕が望んだ?

違う! 誰も救ってくれなかっただけだ! 僕を

現実って何だ?

もう全て決まりきっている世界だろう?

この暗闇も、この半端な世界も、全て僕が望んだというのか?

最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」

最終話のストーリーを読む 〉

でも、こんな自分なら、いなくてもいいと思う

やっぱり僕は、いらない子供なんだ! 僕のことなんか、どうでもいいんだ!

そんなの、ミサトさんも同じじゃないか!

多分、自分のために

分からない

好きじゃないです

逃げちゃダメだ

逃げたら辛いんだ!

辛かったんだよ!

でも嫌だ! 逃げるのはもう嫌なんだよ!

そう、逃げちゃダメなんだ!

だって、逃げ出したら誰も相手にしてくれないんだ!

僕を捨てないで。お願いだから、僕を捨てないで!

そうだよ、そうしないとまた捨てられちゃうんだ

うるさい! そんなの関係ないよ! 僕のことなんか、どうでもいいんだ!

誰も僕を受け入れてくれないんだ

だから僕は、エヴァに乗らなきゃいけない

そうしなきゃいけないんだ!

違う。僕に価値はない。誇れるものがない

エヴァに乗ることで、僕は僕でいられる

エヴァに乗る前の僕には、何もなかった

僕はエヴァに乗っているからここにいられる

僕には何もない。何もないんだ

僕にはない

僕は、僕が嫌いなんだ

ほら、みんなそう思ってる

きっとそう思ってるんだ!

違う! だって、僕は僕が嫌いだもの!

でも、誉めてくれるんだ

エヴァに乗ると、誉めてくれるんだ!

人に誉められたんだ

人に誉められたんだ!

分からない。いや、どっちもほんとの気持ちだ

今の僕には、エヴァしかないから

いいんだ! もともと僕には何にもなかったんだ。習っていたチェロだって、何にもならなかったんだ

でも、今はエヴァに乗れるんだ!

れが僕の全てだから

雨、憂鬱な気分。僕の気分みたいだ。好きじゃない

青い空。暖かいもの。慣れないもの。怖いもの。いらないもの。好きじゃない

怖いものは

そばにいてもいいの?

お父さんの所へ行かないの?

行きたくない

嫌われるのが怖いから

その前にほしいんだ。僕に価値がほしいんだ。誰も僕を捨てない、大事にしてくれるだけの

僕には価値がない

じゃあ、僕って何? 僕ってなんなんだ!

これは……僕だ! 僕を他人に見せている形。僕という記号だ! これも、これも

これも、みんな僕をあらわすものに過ぎない

僕を他人に認識させているものに過ぎない。じゃあ僕ってなんだ?

これは僕、本当の僕。偽りの僕

そうだ。僕の服、僕の靴、僕の部屋

それらは僕の一部

僕と感じているものが僕。僕は僕自身でしかないのか?

でも僕が分からない、僕はどこにいるんだ? 僕って何なんだ! 僕って何なんだ!

誰も僕のことなんか分かってくれないんだ!

そんな事言ったって、自分がないんだ。分からないんだ! 大事にできるわけないよ!

これは? 何もない世界。誰もいない世界

自由の世界

自由?

何者にも束縛されない、自由の世界だよ

これが自由?

そう。自由の世界

僕が考えない限り

そんな、どうしたらいいのか分かんないよ

漠然としすぎてる

どうしたらいいんですか?

これが、僕の意志?

これは……何もない空間。何もない世界。僕のほかには何もない世界。僕がよく分からなくなっていく

自分がなくなっていく感じ。僕という存在が消えていく

僕しかいないから?

自分の形

他の人がいるから、自分がいられるんじゃないか。一人は、どこまで行っても一人じゃないか。世界はみんな僕だけだ!

そう、僕は僕だ。ただ、他の人たちが僕の心の形を作っているのも確かなんだ!

何だ、アスカか

うん、ありがとう……だから、もう少し寝かせて

仕方ないだろ! 朝なんだから!

分かってるよ。ほんと、うるさいんだからアスカは

行ってきまーす

今日も転校生が来るんだってね

そうだね。どんな子かなぁ。可愛い子だったらいいな

別に、見たってわけじゃ……ちらっとだけ

尻に敷かれるタイプだな、トウジって

なんで僕が尻に敷かれるタイプなんだよ!

どうしてだよ!

アスカがいつもそうやって、ポンポンポンポン言うからだろ!

あぁーっ!

そうだ、これも一つの世界

僕の中の可能性。今の僕が僕そのものではない。いろんな僕自身がありえるんだ

そうだ、エヴァのパイロットではない僕もありえるんだ

現実世界は悪くないかもしれない。でも、自分は嫌いだ

でも、みんな僕が嫌いじゃないのかな?

でも、僕は僕が嫌いなんだ

僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で

僕は僕が嫌いだ

でも、好きになれるかもしれない

僕はここにいてもいいのかもしれない

そうだ、僕は僕でしかない

僕は僕だ。僕でいたい

僕はここにいたい!

僕はここにいてもいいんだ!

ありがとう

劇場版:シンジのセリフ集

『シト新生 - Death and Rebirth』

『シト新生』のストーリーを読む 〉

待ち合わせは無理か。しょうがない、シェルターへ行こう

逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ

カヲル君……どうして

何を……カヲル君……君が何を言っているのか分かんないよ、カヲル君!

あの……お邪魔します

た、ただいま……

葛城ミサトさん……悪い人じゃないんだ

色々あったんだ。ここに来て

来る前は、先生の所にいたんだ

穏やかで何にもない日々だった。ただそこに居るだけの

でもそれでも良かったんだ。僕には何もすることが無かったから

できることも、僕は何も無かったから……

別に、どうでも良かったんだと思う

ただ、父さんは嫌いだった

目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ

逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ

生態系が戻ってるって、ミサトさんが言ってた

叱らないんですね。家出のこと

当然ですよね。ミサトさんは他人なんだから

もし僕が乗らないって言ったら、初号機はどうするんですか

そんなことできるわけないじゃないですか。彼女に全部押し付けるなんて

大丈夫ですよ。乗りますよ

そりゃそうでしょ。第一僕には向いてませんよそういうの。だけど、綾波やミサトさんやリツコさん……

殴られなきゃならないのは僕だ! 僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で……

いいんです。一人の方が。どこでも同じですから

凄い。ビルが生えてく

た、ただいま……

あ、おはよう

パッヘルベルのカノン

自分だって子供のくせに……

赤いんだ弐号機って。知らなかったな

あ、うわ、何だろう

グ、グゥテルモルゲン……

誰が?

あぁ、綾波なら……

おはよう

いや……別に

ち、違うよ

だ、だから、そんなんじゃないって

どうしてあいつ、いつも一人なんだろうって思ってさ

ほとんど口、訊かないから

不器用って、何がですか?

ごめんんください……。ごめんください! 碇だけど。綾波、入るよ

ん? 綾波のかな?

いや……あの、僕は別に……

え、いや、僕は……その

僕は……た、頼まれて、つい……何だっけ、カードを新しくなったから、届けてくれって。だから、だから別に……そんなつもりは……

ねぇ。綾波は怖くないの? またあの零号機に乗るのが

前の実験で大怪我したって聞いたから、平気なのかなって思って

当たり前だよ! あんな父親なんて

綾波……

何も……食べたくない

また、あれに乗らなきゃならないのか……

僕は……嫌だ。もうあんな思いしたくない

寝てたらって

リツコさんが……

綾波は、何故これに乗るの?

絆?

父さんとの?

強いんだな。綾波は

綾波! 大丈夫か? 綾波っ!

自分には……はほかに何も無いって、そんなこと言うなよ。別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ……

笑えば……いいと思うよ……

うん。もう、大丈夫だよ

僕は、あの時逃げ出して、その後は来てない。ここに母さんが眠ってるって、ピンと来ないんだ。顔も覚えてないのに

写真とかないの?

先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね

良かった。綾波が無事で……あの、父さんは来ないんだ……ありがとう、助けてくれて

何がって、零号機を捨ててまで助けてくれたんじゃないか。綾波が

うん……覚えてないの?

綾波……レイ

ヒト……人間なんですか!?

ごめんごめん

(僕だって、乗りたくて乗ってる訳じゃないのに)

使徒……これが使徒ですか?

だって……人が乗ってるんだよ。父さん

でも……でも出来ないよ。助けなきゃ。人殺しなんて出来ないよ

いいよ! 人を殺すよりはいい!

何をしたんだ父さん!

止めてよ! 父さん、止めてよ! こんなの止めてよ!

くそ、止まれよ

止まれ、止まれ、止まれ、止まれ! 止まれ、止まれ、止まれ、止まれ! 止まれ、止まれ、止まれ、止まれ! 止まれ! 止まれ! 止まれ! 止まれ! 止まれ!

止めろぉぉぉーーー!

僕のお父さんってどんな人ですか?

加持さん、ずっと一緒にいるみたいだし

ずっと、一緒にいなかったから

でも、この頃分かったんです。父さんのこと色々と、仕事のこととか。母さんのこととか。だから……

ミサトさんともですか?

だから何度言ったら分かるんだよ! もう加持さんはいないんだってば!

僕の名を?

そうかなぁ? あの、君は?

フィフスチルドレン? 君が、あの、渚君?

僕も、シンジでいいよ

嘘だ嘘だ嘘だ! カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!

裏切ったな……僕の気持ちを裏切ったな……父さんと同じに裏切ったんだ!

いた!

カヲル君!

アスカ、ごめんよ!

カヲル君! やめてよ、どうしてだよ!

はっ……A・T・フィールド!?

そんなの分からないよ、カヲル君!

う……くっ……カヲル君!

待って! うっ!

何だ?

カヲル君……どうして

何を……カヲル君……君が何を言っているのか分かんないよ! カヲル君!

※『Air / まごころを、君に』と重複している部分は省略

『Air / まごころを、君に - The End of Evangelion』

『Air / まごころを、君に』のストーリーを読む 〉

ミサトさんも、綾波も怖いんだ。助けて……助けてよアスカ

ねえ……起きてよ。ねえ……目を覚ましてよ

ねえ、ねえ……アスカ……アスカ、アスカ!

助けて……助けてよ……助けてよ…………助けてよ……助けてよ

またいつものように、僕をバカにしてよ。……ねえ!

はぁ……はぁ……はぁ……はぁ…………うっ

最低だ……俺って

助けてアスカ、助けてよ

もうやだ、死にたい、何もしたくない

僕は……だめだ。だめなんですよ。人を傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格ないんだ。僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。でもそんなのごまかしだ。何も分かってない僕には、エヴァに乗る価値もない。僕には人の為に出来ることなんて何もないんだ!

アスカに酷いことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない、ずるくて臆病なだけだ。僕には人を傷つけることしかできないんだ。だったら何もしない方がいい!

ミサトさんだって……他人のくせに! 何も分かってないくせに!

ママ? ……母さん

だってエヴァにのれないんだ……どうしようもないんだ

母さん……

アスカ!

ちくしょぅ……ちくしょぅ……ちくしょう……畜生!

……綾波?

……レイ!

もういやだ……もうやだ……もういやだ……もういやだ……いやだ……いやだ……もうやだ……もうやだ……もうやだ……いやだ……いやだ

ここにいたの? ……カヲルくん

そうだ……。チェロを始めたときと同じだ。ここに来たら、何かあると思ってた

自分みたいで?

ママ……

これが……。こんなことしてるのがミサトさん?

判ってるよ……

判るはずないよ。アスカ何も言わないもの。何も言わない。何も話さないくせに。判ってくれなんて、無理だよ!

判ろうとした

だったら僕にやさしくしてよ!

ウソだ! 笑った顔でごまかしてるだけだ。曖昧なままにしておきたいだけなんだ!

曖昧なものは……僕を追いつめるだけなのに

このままじゃ怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかも知れないんだ。ザワザワするんだ……落ち着かないんだ……声を聞かせてよ! 僕の相手をしてよ! 僕に構ってよ!

何か役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ

あ、アスカ助けてよ……。ねぇ、アスカじゃなきゃダメなんだ

助けてよ……

ねぇ、僕を助けてよ

たすけてよ……。ねぇ……。誰か僕を……お願いだから僕を助けて

助けてよ……。助けてよ……。僕を、助けてよォ!

一人にしないで!

僕を見捨てないで! 僕を殺さないで!

誰も判ってくれないんだ……

イヤな事は何もない、揺らぎのない世界だと思っていた……

裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったんだ

みんな僕をいらないんだ……。だから、みんな死んじゃえ!

僕がいても、いなくても、誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ

むしろ、いないほうがいいんだ。だから、僕も死んじゃえ!

……ここにいてもいいの?

はっ……綾波……? ……レイ

ねぇ?

夢って、何かな?

判らない。現実がよく判らないんだ

幸せが何処にあるのか、判らないんだ

だからこれは現実じゃない。誰もいない世界だ

だから、ここには僕はいない

いけないのか?

僕一人の夢を見ちゃいけないのか?

じゃあ、僕の夢はどこ?

僕の現実はどこ?

……綾波……ここは?

僕は死んだの?

でも、これは違う。違うと思う

いいんだ……ありがとう

あそこでは、イヤな事しかなかった気がする。だから、きっと逃げ出してもよかったんだ。でも、逃げた所にもいいことはなかった。だって……僕がいないもの。誰もいないのと、同じだもの

構わない。でも、僕の心の中にいる君達は何?

だけど、それは見せかけなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。僕を……見捨てるんだ

でも……僕はもう一度会いたいと思った。その時の気持ちは本当だと思うから

幸せがどこにあるのか、まだ判らない。だけど、ここにいて……生まれてきてどうだったのかは、これからも考え続ける。だけど、それも当たり前のことに何度も気づくだけなんだ。自分が自分でいるために

でも、母さんは……母さんはどうするの?

さようなら……。母さん

新劇場版:シンジのセリフ集

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

『新劇場版:序』のストーリーを読む 〉

あっ、だめか。携帯も圏外のままだし、バスも電車も止まったままだし……

待ち合わせは無理か。しょうがない、シェルターに行こう

ええ。口の中がシャリシャリしますけど……

いえ、僕のほうこそ。葛城さん

え? はい……

え……すいません

いや、あの……聞いても何も答えてくれないだろうと思って

いいんです。先生に言われた通りにしてるだけですから

特務機関ネルフ?

父のいる所ですね……

人類を守る大事な仕事だと、先生からは聞いてます

これから父の所へ行くんですか?

父さん……

あっはい! どうぞ……

ネルフ……

(父さんの仕事……)

何かするんですか、僕が。……そうですね。用が無いのに父が僕に手紙をくれるはず、無いですよね

えっ?

……凄いっ! 本当にジオフロントだ!

あの……迷ったんですか?

これも父の仕事ですか

父さん……

父さん、なぜ呼んだの?

じゃあ、僕がこれに乗って、さっきのと戦えって言うの?

嫌だよそんなの! 何を今更なんだよ! 父さんは、僕が要らないんじゃなかったの?

なぜ、僕なの?

無理だよそんなの! 見たことも聞いたことも無いのに、出来るわけ無いよ!

そんな……。できっこないよ! こんなの乗れる訳無いよぉっ!

嫌だよ……せっかく来たのに、こんなの無いよっ!

分かってるよ、でも、出来るわけ無いよっ!

(やっぱり僕は、要らない人間なんだっ……!)

大丈夫ですかっ!?

(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだっ!)

やります、僕が乗ります!

うわっ、何ですか!? これ! あっ、あぁっ!

(歩く……)

(歩くっ!)

知らない天井だ……

いいんです、一人のほうが。どこでも同じですから

な、何をですか?

どこへですか?

何だか……さびしい街ですね

凄い! ビルが生えてく!

あ、あの……お邪魔します……

たっ、ただいまっ

(これが……ちょっち?)

氷。ツマミ。ビールばっかし。どんな生活してんだろ

いただきます……

いえっ、あのっ。こういう食事、慣れてないので……

いえっ、ち、違うんです。あのう……

うわぁぁぁーっ! ミミミ、ミサトさんっ!

ああ〜っ! あっ、あぃ〜ぁっ! ……あれっ?!

あんな鳥がいるんですかっ?!

(葛城ミサトさん……悪い人じゃないんだ……)

でも、風呂って嫌なこと思い出す方が多いよな……

ここも知らない天井か。……当たり前か、この街で知ってるとこなんて、どこにも無いもんな

なんでここに居るんだろう……

僕だって、乗りたくて乗ってるわけじゃないのに……

どこが人に褒められることなんだろう。エヴァに乗ってたって言うだけで、なんで殴られるんだよ……

目標をセンターに入れてスイッチ……。目標をセンターに入れてスイッチ……。目標をセンターに入れてスイッチ……。目標をセンターに入れてスイッチ……

(父さんも見てないのに、なんでまた乗ってるんだろう。……人に嫌われてまで……)

目標をセンターに入れてスイッチ……目標をセンターに入れてスイッチ……

逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だっ!

すいません

ええ、分かってますよミサトさん。……もう良いじゃないですか、勝ったんだから。言われれば乗りますよ。乗ればいいんでしょ

……いいですよ、もう。ミサトさんの所に連れてってくださいっ……!

別に、どうでもよくなりました。何もかも。僕に自由なんて無いんだ……。どうせ僕はエヴァに乗るしかないんですよね。そのためだけに父さんに呼ばれたんだから。いいですよ、乗りますよ。それでみんながいいんだったら、僕はいいですよ

僕には無理だってことはわかってるんですよ。みんなも分かってるんだきっと。それでも怪我した綾波や、ミサトさんや父さんや……

その綾波を助けるために、父さんが……

綾波、どうしていつも……一人なんだろう

綾波レイ……。父さんはなんで笑ってるんだろう。なんで僕には笑わないんだ……

ごめんください……ごめんください! 碇だけど。……綾波、入るよ

……綾波のかな?

……! い、いやあのっ! 僕は、別にっ

え、あぁあの、僕はあの……その……

ぼ、僕はっ、た、頼まれてっ、つまり、何だっけ……。か、カード、カードが新しくなったから、と、届けてくれって……だから、だから、別にそんなつもりは……

リツコさんが、渡すの忘れたからって、ホントなんだ。そ、それでチャイム鳴らしても誰も出ないし、鍵は、開いてたんで……

これ、綾波の新しいやつ。リツコさんに頼まれて

さっきは、ごめん

……ねえ、綾波は怖くないの? またあのエヴァンゲリオンに乗るのが

前の実験で、大怪我したって聞いたから、それで……平気なのかなって思って……

でも、またいつ暴走して危ない目に会うか……。使徒に負けて、殺されるかもしれないんだよ、僕らは

当たり前だよ、あんな父親なんて!

うわあぁぁぁっ……あぁぁぁ! 嫌だ! もう嫌だ! ここから出して! 出してよ父さんっ!

嫌なんだよ、エヴァに乗るのが。うまく行って当たり前、だから誰も褒めてくれない。失敗したらみんなに嫌われる。ひどけりゃ死ぬだけ。なんで僕はここにいるんだ?

何か変わるかもって、何かいいことあるかもと思ってここに来たんだ。嫌な思いをするためじゃない

だけど、エヴァに乗ると……

……また同じ天井……。エヴァに乗るとこればかりだ

綾波……。ずっとここに?

何も、食べたくない……

また、あれに乗れって言うのか……

もう嫌だ……。もうあんな怖い思いしたくない。怖くて怖くて……でも逃げることも出来ないんだ……

寝てたら、って……

綾波!

怖いんですよ。エヴァに乗るのが。ミサトさんたちはいいですよ、いつも安全な地下本部にいて命令してるだけなんですから。僕だけが、怖い目にあって、ミサトさんたちはズルいですよ!

聞きましたよ、その話は

これって……! まさか、エヴァ?

リリス……?

そんなつらいこと、なんで僕なんですか?

……もう一度、乗ってみます……

どこがコアかなんて、分からないですよ

逃げられないってことですか……

じゃあ、もし外れて敵が打ち返してきたら……

(じゃないと大ピンチ、ってことですか)

これで……死ぬかもしれないね

僕に守る価値なんて無いよ……

綾波は、なぜエヴァに乗るの?

絆?

父さんとの?

強いんだな……綾波は

(綾波ほどの覚悟もない。うまくエヴァを操縦する自信もない。理由も分からずただ動かしてただけだ! 人類を守る? こんな実感もわかない大事なこと、なんで僕なんだ?)

綾波っ!

早く……早く……! 早くっ……! 早くっ! ……!

綾波っ!

綾波っ! 大丈夫か、綾波っ、綾波! ……っ!

自分に、自分には他に何もないって、そんなこというなよ。別れ際にさよならなんて……悲しいこと言うなよ……

笑えば……いいと思うよ……

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

『新劇場版:破』のストーリーを読む 〉

僕は、あの時逃げ出して……そのあと来てない。ここに母さんが眠ってるってピンとこないんだ。顔も覚えてないのに

写真とかないの

先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね

……父さん!

あの……今日は嬉しかった……父さんと話せて

ミサトさんがムリヤリ連れてきただけです

素直になったって嫌な思いするだけです

凄い……コアを一撃で!

あ、はい。四つ先の駅で乗り換えがありますけど

式波・アスカ。エヴァに乗ってて嬉しい人もいるんだ……

ただいまー……って、何だこれ! 僕の部屋が……

じゃ僕の……あれ? なんで式波がここにいんの?

そんな……

ミ、ミサトさん……

ははっ。ペンギンって言う鳥だよ。名前はペンペン……

やっぱり出ないや……父さん

凄い!

これがセカンドインパクト前の生き物なんですか?

綾波も来れて良かった……体もういいの?

狭いな。もっと広いとこで泳げばいいのに

ミサトさん、いつもレトルトばかりだから、僕が作るしかないんだ

いいから、食べてよ食べてよ

ごめん綾波……口に合わなかったかな?

じゃあ、味噌汁はどう? 温まるよ

僕が産まれる前は、この海が青かったなんて想像出来ません

でも、この潮風って……何だか生臭い変な匂いがしますね

何か嬉しいです。ミサトさんも来れば良かったのに……

何をですか?

……僕と同じだ

……あの……勝算は……

(エヴァの中……なんでだろう、こんな時なのに妙に落ち着く……もう乗ってるのが当たり前なのかな? なんでだろう……懐かしい感じがする……。匂い? 母さん……? 綾波の匂い……)

こっちで何とかする。ミサトさん!

A・T・フィールド全開!

アスカ……はやく……

……アスカぁ……

あの……式波……さん?

じゃあ、あの……アスカはどうしてエヴァに?

よく……わかんない

父さんに褒めてほしいのかな? 今日は、初めて褒めてくれたんだ。初めて褒められるのが嬉しいと思った。父さん、もう僕のこと認めてくれたのかな? ミサトさんの言ってた通りかもしれない

今朝は宿題があって作る時間なかったんだよ

だから明日はちゃんと作るよ

違うよ!

はいこれ

いつも食べてなさそうだったから

(昨日、元気そうだったのにどうしたんだろう?)

(ここでしか生きられない……どういう事だ?)

あれ……変だなぁ

僕、男ですよ?

土の匂い……

給料って……さっきの缶コーヒー? ……はぁ、デートって言ってたのに。加持さんてもっとマジメな人だと思ってました

これ確か……スイカですよね

辛い……こともでしょ

好きじゃないです

え? ミサトさん? いやあの……嫌いじゃないです

! ……綾波!?

綾波……もういいの?

あ、どうしたのその手?

……何してたの?

珍しいなぁ。トウジの奢りなんてさ

そうなの? 聞いてないよ

知らないよ……聞いてないから

僕に言われても……ミサトさんに頼んでみたらいいんじゃ……

楽しみだなぁ食事会。けど、綾波の料理って大丈夫かなぁ……

父さんも、来ればいいのに……

あれ、トウジは?

あ、そっか……

うん

え……松代で爆発事故……?

あの……ミサトさんやアスカ達は

でも他のエヴァも、ミサトさんもいなくて、僕一人じゃどうしようもないですよ

父さんが……?

はっ。まさか……使徒? これが使徒ですか?

目標って、これは……エヴァじゃないか。……そんな

でも、目標って言ったって……アスカが乗ってるんじゃないの……アスカが……

くそっ……! はっ、エントリープラグ……やっぱり乗ってるんだ

だっ……て……アスカが乗ってるんだよ……父さん……

でも……できないよ……人殺しなんてできないよー!

いいよ! アスカを殺すよりはいい!

何だこれ……何をしてるんだ父さん!

何だよ父さん……なんだよ……! 何やってんだよ!

くそっ、止まれっ! 止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ……

……何の音だ!?

やめろっ……!

やめろおぉぉぉぉぉーーーーーっっっ!

そんなこと言ってこれ以上僕を怒らせないでよ。初号機に残されているあと285秒、これだけあれば本部の半分は壊せるよ

そんなの関係ないよ!

そんなの関係ないって言ってるでしょう! 父さんは……あいつはアスカを殺そうとしたんだ。この僕の手で……! なんで! なんで! なんでなんだよ!

父さんは何も分かってないんだ! 信じた僕が馬鹿だったんだ! 父さんも、大切な人を失えばいいんだ! そしたら分かるよ!

まだ直轄回路が残っ……うっ! ……ちくしょう……ちくしょう……ちくしょう……

うん、これ昔父さんが使っていたものなんだ

綾波の眼鏡と同じだよ

けどもういらなくなって置いていったものなんだ

僕と同じだよ

先生の所においてあったのを、僕がもらったんだ。耳を塞ぐと心も塞がるんだ 。嫌な世界と触れ合わなくてすむからね

そうさ。嫌いな父さんがいる世界。怖い使徒やエヴァがいる世界。辛いことをやらされる世界。ダミーがあれば父さんも僕がいらない世界。僕も友達も傷つく世界……。でもいいこともあったんだ、けど結局は壊れてしまう……嫌な世界さ。もう捨てるんだ。これしていると父さんが僕を嫌な世界から守ってくれると思ってたんだ。僕の勝手な思い込みさ

分かろうとした

分かろうとしたんだよ! 悪いのは父さんだ。僕を見捨てた父さんじゃないか!

そうやって嫌なことからまた逃げ出してるんだ

いいじゃないか! 嫌なことから逃げ出して、何が悪いんだよっ!

またここだ……。もう嫌だ

はい。僕はもうエヴァには乗りたくありません

僕には、何が大人か分かりません

別にいりません。置いてったものですから

僕はもう、誰とも笑えません

使徒だ……

僕は……僕はもう乗らないって決めたんだ……

乗らないって決めたんだ……乗らないって決めたんだ、乗らないって決めたんだ……

乗せてください! 僕を……僕を、この初号機に乗せてください!

父さん!

僕は、エヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!

ミサトさん!

エネルギーが切れた!

綾波を……返せ!

僕がどうなったっていい。世界がどうなったっていい。だけど綾波は……せめて綾波だけは、絶対助ける!

綾波、どこだ!

綾波!

違う! 綾波は綾波しかいない!

だから今、助ける!

……綾波ーーっ!

綾波ぃーっ!

綾波ぃーっ! 手をっ!

来いっ!

綾波、父さんのこと、ありがとう……

いいんだ、もう。これでいいんだ……

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

『新劇場版:Q』のストーリーを読む 〉

確か……綾波を助けて……

あの……綾波は?

……僕、ですけど……

……何だ?

ミサトさん……?

葛城艦長……やっぱりミサトさん?

あれ……?

何なんですかこれ? はずしてくださいよもう……

初号機……!?

……アスカ?

……やっぱりエヴァ改2号機! よかった……無事だったんだアスカ……

……ミサトさん、ぼくは……

ミサトさん! 初号機ここにあるんでしょ! 僕も乗ります! アスカを手伝います!

僕は乗らなくていいんですか? ミサトさん!

必要ないって……あの……じゃあ、僕は何をすればいいんですか? ……ミサトさん……

これが初号機……?

はぁ……ホントにいらないんですね……

何ですかこれ……?

どういうことですか……?

それって……死ぬってことですか?

そんな……ミサトさん、どういう事なんですか死ぬって!?

変ですよミサトさん! 急にこんなことになってて訳わかんないですよ!

あ、はい……でも、鈴原って……トウジの?

!? お姉さんじゃなくて?

妹……? なんで……

アスカ! 良かった! やっぱり無事だったんだね! アスカ……

……何なんだよ……

何のことだよ……あれ、アスカ、左目……

アスカ……さっき14年って……でも、眼帯以外変わってない……

呪縛……?

ちょっと待ってよ! アスカなら知ってるだろ! ねえ、綾波はどこなんだよ!

知らないって……助けたんだよあの時!

アスカっ!

ミサトさん! 綾波はどこなんですか! 教えてください!

いいえ……確かに助け出したんです! きっとまだ初号機のプラグの中にいます! よく探してください!

父さんの……あの時綾波が持っていた……やっぱり助けたんじゃないか!

何だ!?

ミサトさん! リツコさん! いったい何が来たんですか! 新しい使徒ですか!?

綾波……? 今の、綾波の声ですよね!? ミサ……

何だよもう!

やっぱり綾波だ……

うっ……綾波ですよ! ……うっ

もういいよ……綾波! ここだ!

ヱヴァ……0号機……?

何だよミサトさん……さっきまで要らないって言ってたじゃないか!

そんなの勝手すぎですよ!

やめてください! 相手はエヴァですよ!?

ネルフ……ここも〝NERVネルフ〟じゃないですか!

そんな……いや、でも乗ってるのは綾波なんですよ!?

嘘だ! だってここにいるでしょ! ミサトさんの分からず屋! もういいよ!

やっぱり助けてたじゃないか……ミサトさんの嘘つき

あ、あの……

ジオフロントなのに、空が見えてる……

あれが、ネルフ本部……? 何があったんだ……

ホントに14年も経ってるんだ……

何だ……? エヴァ?

父さん……

さっきの、ピアノの……

ちょっと待ってよ父さん! まだ聞きたい事とか、話したいことがいっぱいあるんだ! 父さーん!

ダイヤルもないし、こっちからはどこにもかけられないのか……

やっぱり、お礼言っておかなきゃ

綾波ー! どこだよ、綾波ー!

何だろここ……

綾波? やっと見つけた!

綾波! ずいぶん探したよ……

おっ、ああっ! ちょ……服、なっ、何か服着てよ!

は、入るよ……

あの……綾波、これ、ありがとう。……ずっとお礼言いたかったんだ

プラグスーツ、新しくなったんだ。似合うけど、黒だとちょっと……

何だか、ずいぶん変わっちゃったんだね。ネルフ本部……

なんでミサトさんは使徒じゃなくてネルフと戦ってるんだ……

父さんはここで何する気なんだ

みんなどうしちゃったんだろう……ねえ綾波は何か知らないの?

そっか……うん。そうかもな

ねえ、綾波はいつ初号機から戻ったの?

ここは部屋にもなってないよ……。綾波らしいと言えばそうだけど、学校とかなさそうだし、いつもどうしてるの?

……ここ、本もないんだ。本とか読んでないの?

うん……よく読んでたじゃないか。部屋にもあったし

そうだ、本、ここの図書室で探して持ってくるよ! あの、英語の本がいいかな。いつも持ってて、好きみたいだし

うん……だと思うけど……

ダメだ。動かないや……

……あ、あの……話しをするんじゃないの?

いいよ。僕には無理だよ

音が楽しい。二人って凄いね

ありがとう。何だか久しぶりに楽しかったよ

うん。あの、君は……

またいない。本もそのままか……

他にすることがないから……

どうしたらもっとうまく弾けるのかな

じゃあ、もっといい音を出したいんだけど、どうすればいい?

うん、ありがとう。何だか悪いかな。こんなことまで頼んじゃって

ねえ、もう少しここにいない? このまま星を見ようよ

うん……この宇宙の大きさを感じていると、小さい時から何だか凄く安らぐっていうか……14年くらいじゃ何も変わらないのがうれしいって言うか……自分の事なんてどうでもいい気がして、落ち着くっていうか……うまく言えないよ

いや、そんな別に……渚君と星を見たら、楽しいかなって、ちょっと思っただけ……

今度のはちょっと大きいかな……あれ?

ありがとう。凄いね渚君。何でも出来ちゃうんだ

でも……凄いよ

心配になったんだ。友達が……

うん。ネルフ本部の上に街があって、みんなそこにいたんだ。トウジやケンスケ。委員長やクラスのみんなも。僕は14年間も、初号機の中で眠ってたみたいなんだ。その間に、何もかも変わっちゃったんだよ

何だか怖いんだ。町が……みんながどうなっちゃってるのか……訳わからなくて怖いんだ。そう、怖いんだよ!

渚君! 渚君!

……何だこれ……

これじゃあ、街のみんなは

ネルフが、これを……父さんは何をやっているんだ

……違う……僕はただ、綾波を助けたかっただけだ……

そんな……僕は知らないよ! そんなこと急に言われたってどうしようもないよ!

罪だなんて……何もしてないよ! 僕は関係ないよ!

なんでだよ。こんなことになってるなんて……

そうだ、綾波を助けたんだ。それでいいじゃないか

またいない。まだ読んでない……

何だよ……綾波もどうしちゃったんだよ、もうっ!

ええ、ルールくらいは……

いえ、まだ小さかったし。それに、母のものは全て父が処分したので

この人は、綾波?

そんな……

なんで本、読まないんだよ……

命令か……じゃあもういいよ!

ねぇ、綾波だよね?

だったら、あの時助けたよね?

助けてなかったんだ……綾波……

何してたんだ僕は……

いやだ! エヴァなんかもう乗りたくない! 綾波を助けてなかったんだ!

エヴァに乗ったっていいことなんかなかったんだ! もういやだ! 何もしたくない!

いいことなんかないよ……渚君が見せたんじゃないか……あの真っ赤な、どうしようもない世界

そんなこと言ったって、エヴァも父さんもミサトさんも、何もかも信じられないよ!

できないよっ……ミサトさんたちが僕にこれを付けたんだ……もうエヴァには乗るなって。乗ったら死ぬって脅されて……

もう……エヴァなんかどうでもいいんだ……

渚君……

そうだね……うん、君になら出来るよ

凄いや……何でも分かっちゃうんだ

ありがとう。渚君

僕も……シンジでいいよ

行こう。カヲル君

エヴァンゲリオン第13号機、起動!

僕らだけじゃないんだ……

そんなの、僕らだけで十分だよ

壁が

まるで大きな蓋みたいだ

やった!

これが、リリス?

ミサトさん……命がけで守っていたのに

ん? あれは……エヴァ?

あそこに刺さってるのが目標物?

それなら、あっちのパイロットでもいいんじゃないの?

どうしたのカヲル君?

早く槍を抜こうよ。そのためにエヴァに乗ってきたんだから……

何だよこれ!?

何すんだよ! アスカ!

そうだよ、エヴァに乗って、世界を変えるんだ!

なんで邪魔するんだアスカ! あれは僕たちの希望の槍なんだよ!?

違う! 槍があれば、全部やり直せる。世界が救えるんだ!

分からず屋!

カヲル君も手伝ってよ!

カヲル君!

カヲル君、どうしちゃったんだよ!

アスカ! お願いだから邪魔しないでよ!

はあ……はあ……今のうちに槍を!

駄目だよカヲル君! 何のためにここまで来たんだよ!

僕らの槍じゃないって……槍が必要だって君が言ったんだ。だから僕は、エヴァに乗ったんだよ!

カヲル君のために、みんなのために槍を手に入れる。そうすれば世界は戻る! そうすればミサトさんだって!

エヴァ・マークシックス? パターン青って……どういうことだよ

使徒!?

操縦が効かない! どうなっちゃったんだ!? カヲル君!

カヲル君!

何言ってるの? カヲル君!

何だこれ……

何なんだよこれ……

僕のせいなのか……僕が槍を抜いたから

これって……

カヲル君! 首輪が!

うわっ! ミサトさん!?

僕のせいなのか……僕が、僕が……

どうしよう……ねえ、どうしよう……

カヲル君、僕は……どうしたらいいの?

カヲル君……カヲル君が何を言っているのか、分からないよ!

カヲル君!

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

『シン・エヴァ』のストーリーを読む 〉

守ってなんかいない。何もかも僕が壊したんだ。もう何もしたくない。話もしたくないんだ。もう誰も来ないでよ! 僕なんか、放っておいてほしいのに!

なんでみんな、こんなに優しいんだよ

うん

うん

だめだよ。やったことないし、僕には無理だよ

君の名前?

名前っていっても、君は綾波じゃないし

うん。今日も来てたけど、何?

うん。少しは

最初は大変だったの?

トウジは立派だよ。人を助けてるんだから

うん、でもさっきの子、加持って……

あの……加持さんは

土のにおい

――加持さん

ただいま

おはよう。どうしたの、こんな朝早く

あ、ありがとう

あの、頼まれていた名前なんだけど――綾波は綾波だ。他に思いつかない

綾波?

綾波、どうしたの?

綾波!

ありがとう、ケンスケ。トウジたちにも、ありがとうって伝えておいて

アスカ、僕も行くよ

鈴原――サクラさん?

あの……分かんないよ

あの、パラシュートの?

アスカが、3号機に乗っていた時、僕が何も決めなかったから。助けることも、殺すことも。自分で責任、負いたくなかったから

うん。そうだね、カヲル君

父さん

ミサトさん。僕が、エヴァ初号機に乗ります

綾波が消えた帰り道、加持さんに教えてもらった土の匂いがしたんだ。ミサトさんが背負ってるものを、半分引き受けるよ

僕は、僕の落とし前をつけたい

いえ、サクラさん。僕をエヴァに乗せてください

ミサトさん!

ミサトさん、加持リョウジ君に会ったよ

凄くいいやつだった。ちょっとしか話してないけど、僕は好きだよ

うん。ミサトさん、いってきます

うん。分かってる

大丈夫マリさん、行ってくるよ

やってみるよ

綾波……

うん。ありがとう。待ってる

綾波

いいんだ。ありがとう、綾波。あとは僕がやる

もうやめてよ父さん! あ――

くっ、動かない。離してよ父さん!

あれは?

ここは――エヴァのケイジ?

何だ? ここ

父さん

何だ? 僕と同じ動きだ。やりづらい

もうやめてよ父さん――ああっ

うん。父さんと話がしたい

父さん。父さんは、ここで何がしたいの?

これは、黒いリリス

父さんは何を望むの?

父さん、もうやめようよ

父さんのことが知りたいから。寂しくても、いつも父さんに近づかないようにしていた。嫌われているのが、はっきりするのが怖かったんだ。でも、今は知りたい。父さんのことを

これは捨てるんじゃなくて、渡すものだったんだね。父さんに

僕と同じだったんだ。父さんも

その弱さを認めないからだと思うよ

ずっと分かっていたんだろう? 父さん

ありがとう、ミサトさん

僕はいいんだ。辛くても大丈夫だと思う。僕よりも、アスカやみんなを助けたい

うん。父さんのやったことは、僕が落とし前をつける。アスカ――

よかった。また会えて。これだけは伝えておきたかったんだ

ありがとう。僕を好きだと言ってくれて。僕も、アスカが好きだったよ

さよならアスカ。ケンスケによろしく

うん、大丈夫。今度は君の番だ。カヲル君

そう、カヲル君は父さんと似てるんだ。だから同じエヴァに乗っていたんだね

うん。涙で救えるのは自分だけだ。僕が泣いても、他の誰も救えない。だから、もう泣かないよ

カヲル君、第13号機、君のエヴァも処分しようと思う

仲良くなるおまじないだよ

残っているのは君だけだ、綾波

もう一人の君は、ここじゃない居場所を見つけた。アスカも戻ったら、新しい居場所に気づくと思う

うん。だから、ここじゃない君の生き方もあるよ

そうだ。僕もエヴァに乗らない生き方を選ぶよ。時間も世界も戻さない。ただ、〝エヴァがなくてもいい世界〟に書き換えるだけだ。新しい、人が生きていける世界に

うん。それに、あとでマリさんが迎えに来る。だから、安心して

やってみるよ。綾波

ネオン・ジェネシス

誰?

綾波? いや、違う。そうか、この時のために、ずっと僕の中にいたんだね。母さん

やっと分かった。父さんは、母さんを見送りたかったんだね。それが父さんの願った、神殺し

さようなら。全てのエヴァンゲリオン

マリさん

マリさん!

胸の大きい、いい女

君こそ相変わらず可愛いよ

うん。行こう!

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