新世紀エヴァンゲリオン 第17話「四人目の適格者 / FOURTH CHILDREN」あらすじ

エヴァンゲリオンTV 第17話 タイトル

 人類補完委員会に召喚されたミサトは、前回の使徒との一件について、初号機パイロットの直接尋問を拒否したことを弁論していた。今までの経緯から、使徒が人間の精神や心に関心を持っているか意見を求められるが、ミサトは明確な回答を避けた。それに対してゲンドウは、使徒は知恵を身につけ始めていると結論付ける。一同、残された時間がないという認識で一致する。

 事故の知らせを受けたNERV本部は騒がしかった。冬月の元に第2支部が消滅したとの報告が入る。S2機関の実験で起こった事故により、エヴァンゲリオン4号機ならびに、関連研究施設が全て消え去ったとのことだった。それによって本部は3号機を引き取ることになる。第1支部まで失うリスクを負いたくないという、それは米国側の都合のいい話だった。

 レイのパーソナルが移植されたダミープラグを前に説明を受けるゲンドウ。リツコは、あくまで擬似的なフェイクであり、完全ではないことに念を押す。ゲンドウはエヴァが動きさえすれば良いと言って、初号機と弐号機にデータを入れておくように指示する。リツコは、起動試験のために“4人目”のテスト用のパイロットを候補者の中から準備することを伝える。

“4人目”の件について、リツコがミサトに伝える。マルドゥック機関からの報告は受けていないと言うミサトは、また隠し事をしていないかと疑いを募らせる。選ばれた候補者を知って、ミサトは驚き、その人物とシンジの関係を気にして感傷的になる。それに対して、リツコはみんなで生き残るためには必要なのだと諭す。

 委員長のヒカリは、帰り支度を済ませたトウジを引き止めて、レイの所へプリントを届けるように言う。女の家に一人じゃ行きづらいと言うトウジに、同伴することを買って出たヒカリだったが、トウジはシンジを誘って行ってしまう。

 レイの部屋は無人だった。ドアのポストに溜まったチラシの山を見て、シンジは部屋の中へ届けるためにドアノブを回す。散らかったゴミを片付けていると、トウジがシンジのことを見て「変わった」と言う。そこへレイが帰宅する。シンジが控えめにゴミを片付けたと言うと、レイは頬を赤く染め「あ……ありがとう」と小さく呟いた。

 シンジたちが去った部屋で、レイは自分が言った意外な言葉の意味と向き合っていた。ゲンドウにも言ったことがない言葉。初めて口に出した言葉。それをシンジに対して使った、その意味を。

FOURTH CHILDREN

EVANGELION EPISODE 17

 ゲンドウと冬月は、ジオフロントへ向かう車窓から第3新東京市を眺めていた。人が弱さゆえに作り出した楽園。死の恐怖から自分を守るため、自分の快楽を満足させるために作ったもので、敵だらけの外界から逃げ込んでいる臆病者の街だと皮肉を言う。4号機の事故の件について委員会にどう報告するのかと冬月が問うと、ゲンドウは事実の通り原因不明とする、と答えた。最終的に、ジオフロントとエヴァ初号機さえ残っていれば十分だと言う。

 NERVの休憩室で加持はマヤと話をしながら、いつものように女性を誘惑する素振りで振舞っていた。そこにミサトの声が鋭く割り込んだ。ミサトは真剣な眼差しで、アダムとマルドゥック機関の秘密について加持から聞き出そうとする。とぼけようとする加持は、一歩も引かないミサトに負けて、マルドゥック機関とNERVのつながりを暴露する。そして、「コード707」《シンジたちの通う学校》を調べてみるように忠告した。

 ミサトに伝言を言いに来たシンジを捕まえて、加持は自分の「趣味」に付き合うように促す。畑に成ったスイカに水をやりながら、加持は物づくりについて語り始める。シンジの内面に迫ろうとする加持は、同時に助言を与え、何かを伝えようとした。

 シンクロテストの召集が掛かった三人はいつも通りエントリープラグの中にいた。シンジのデータを見てシンクロ率の低下を指摘するリツコ。それを見て、ミサトは“4人目”、つまり3号機のパイロットのことを明かされた場合のシンジの精神状態を気に掛ける。

 昼休みに校長室へ呼び出されるトウジ。トウジが校長室に入ると、そこにはリツコが待っていた。

 屋上でケンスケと話すシンジ。NERV職員である父親から噂話を聞いたケンスケは、しきりに事の真相をシンジから聞き出そうとする。しかし、4号機のことや、第2支部の事故の件。更には3号機の起動試験の件まで、なにも知らないというシンジを見て諦める。しかし、エヴァ3号機のパイロットの件は、自分がやりたいと主張する。

 校長室から戻ったトウジは、複雑な心境を顔に残したまま授業中の席に着く。上の空のトウジは、放課後の週番の間も一人で考え込んでいた。心配する委員長のヒカリは、遅くまで残っているトウジのところにやってくる。昼食がまだだったと言って食べ始めるトウジに、兄弟のことや弁当を作っていることを話すヒカリ。いつも食材があまってしまうと言うと、トウジが残飯処理ならいくらでも手伝うと答える。「うん、手伝って」。ヒカリは嬉しそうに言った。

 仕事中の加持の部屋へ押しかけたアスカ。後にしてくれと言う加持の気を引こうと飛びついた矢先、目に入ったPCモニターに映し出された内容を見て眉をひそめる。アスカは、“4人目”の人選に納得がいかないという態度を示す。

 雨の中、3号機を乗せた巨大な輸送機が米国を飛び立つ。弁当の準備をするヒカリ。トウジは一人、校庭で自分の心境と向かい合いながら、バスケットへボールを投げる。