新世紀エヴァンゲリオン 第14話「ゼーレ、魂の座 / WEAVING A STORY」あらすじ

エヴァンゲリオンTV 第14話 タイトル

 時に西暦2015年。第3の使徒「サキエル、襲来」。使徒に対する通常兵器の効果は認められず。国連軍は作戦の遂行を断念。全指揮権を特務機関『NERV』へ委譲。同深夜、使徒、NERV本部直上へ到達。当日、接収された3人目の適格者《サードチルドレン》碇シンジ。搭乗を承諾。エヴァンゲリオン初号機、初出撃。NERV、初の実践を経験。第一次直上会戦。エヴァ初号機、頭部破損、制御不能。完全に沈黙、後、暴走。

『第3新東京市街戦』中間報告書
 責任者 作戦課長 葛城ミサト一尉

「その結果として、われの損害がきわめて大なりとはいえ、未知の目標に対し、経験ゼロの少年が初陣に挑み、これを完遂せしめた事実、碇シンジ君の功績は特筆に値するものである。ただ、作戦課としては、更なる問題点を浮き彫りにし、多々の反省点を残す、苦汁の戦闘であった」とミサトが告げる。

 第3使徒及び初号機におけるA.T.フィールドの発生を確認。初号機、目標のA.T.フィールドを侵蝕。使徒、殲滅。迎撃施設、一部破損。エヴァ初号機、中破。同事件における被害者の有無は公表されず。

 鈴原トウジの作文より抜粋
「わしの妹はまだ小学2年生です。こないだの騒ぎで怪我しました。敵やのうて、味方が暴れて怪我したんです。わしはそないなアホな話、とても許せません!あのロボットを作った大人に、妹の苦しみを、わしの怒りを教えたろう思います」

 第4の使徒。シャムシエル襲来。当時、地対空迎撃システム稼働率48.2%。第3新東京市、戦闘形態への移行率96.8%。

 洞木ヒカリの手記(一部)
「いつもは友達と学校とかで避難訓練ばかりやってたから、今更って感じで、実感なかったです。男の子は遠足気分で騒いでいたし、私たちも恐いって感じはしませんでした」

 使徒、第3新東京市上空へ到達。第二次直上会戦。外部電源断線のアクシデントに見舞われるも、使徒、殲滅。NERV、原型を留めた使徒のサンプルを入手。だが、分析結果の最終報告は未だ提出されず。

 第5の使徒。ラミエル、襲来。難攻不落の目標に対し、葛城一尉、ヤシマ作戦を提唱、承認される。最初の適格者《ファーストチルドレン》エヴァ零号機専属操縦者、綾レイ。凍結解除されたエヴァ零号機にて、初出撃。同深夜、使徒の一部、ジオフロントへ侵入。NERV、ヤシマ作戦を断行。

 相田ケンスケの個人資料より抜粋
「碇は何も言わないけど、あの時目標の荷粒子砲から零号機が身を挺して初号機を守ったんだと思う。いや、そう確信する。その理由は一つ。綾波だ。綾波は自分の存在を希薄に感じているように見えるからだ。ペシミズムとも違う何かを、彼女はすでに持っていると思う。同じ14歳とは思えないほどに」

 ヤシマ作戦、完遂。エヴァ零号機、大破。だが、パイロットは無事生還。

「シナリオから少しはなれた事件だな」とキールは言った。
「しかし、結果は予測範囲内です。修正は利きます」
 ゲンドウは落ち着いた様子でそれに答えた。

 第6の使徒。ガギエルに、遭遇。2人目の適格者《セカンドチルドレン》エヴァ弐号機専属操縦者、惣流・アスカ・ラングレー。エヴァ弐号機にて、初出撃。海上での近接戦闘及び、初の水中戦闘。旧伊東沖遭遇戦にて使徒、殲滅。

「この遭遇戦で、国連海軍は全艦艇の1/3を失ったな」と委員の一人が言った。
「失ったのは、君の国の艦だろう。本来は取るに足らん出来事だ」と別の委員が口を挟む。
「左様。この程度ですんだのは、またしても幸運だよ」と、更に別の委員が便乗した。

 第7の使徒。イスラフェル、襲来。初の分離・合体能力を有す。しかし、エヴァ初号機、同弐号機の二点同時過重攻撃にて使徒、殲滅。

 第8の使徒。サンダルフォン、浅間火山口内にて発見。NERV、指令A-17を発令。全てに優先された状況下において、初の捕獲作戦を展開。電磁光波柵内へ一時的に拘束。だが電磁膜を寸裂され、作戦は中断。即座に作戦目的は、使徒殲滅へと変更される。エヴァ弐号機、作戦を遂行。使徒、殲滅。

 エヴァ零号機、損傷復旧、及び改装作業終了。再就役。

 第9の使徒。マトリエル、襲来。エヴァ3機による初の同時作戦展開により使徒、殲滅。

 第10の使徒。サハクイエル、襲来。成層圏より飛来する目標に対し、エヴァ3機による直接要撃にて使徒、殲滅。

 第11の使徒。襲来事実は、現在未確認。NERV本部へ直接侵入との流説あり。

 人類補完委員会の特別召集会議にて。使徒がNERV本部に侵入したことに対して言及する委員たち。あくまで誤報だと言って隠し通すゲンドウ。スケジュールは、「死海文書」の記述通り進んでいると報告。全てはゼーレのシナリオ通りに進んでいると主張する。

WEAVING A STORY

EVANGELION EPISODE 14

「山、重い山。時間をかけて変わるもの」
「空、青い空。目に見えないもの、目に見えるもの」
「太陽。一つしかないもの」
「水。気持ちのいいこと。碇司令」
「花。同じ物がいっぱい。いらないものもいっぱい」
「空。赤い、赤い空」
「赤い色。赤い色は嫌い。流れる水。血」
「血の匂い、血を流さない女」
「赤い土から作られた人間。男と女から作られた人間」
「街。人の作り出したもの」
「エヴァ。人の作り出したもの」
「人は何?神様が作り出したもの。人は人が作り出したもの」
「私にあるものは命、心。心の入れ物」
「エントリープラグ。それは魂の座」
「これは誰?これは私。私は誰?私は何?私は何?私は何?私は何?」
「私は自分。この物体が自分。自分を作っている形。目に見える私」
「でも、私が私でない感じ。とても変。体が融けていく感じ。私が分からなくなる」
「私の形が消えていく。私でない人を感じる。誰かいるの?この先に。…碇君?」
「この人知ってる。葛城三佐。赤木博士。みんな。クラスメイト。弐号機パイロット。碇司令」
「あなた誰?あなた誰?あなた誰?」

──ふと我に返ったレイに向かって、マイク越しにリツコの声が語りかける。
「どう、レイ?初めて乗った初号機は」
「碇君の匂いがする」とレイは答えた。
 第1回機体相互互換試験において、被験者の綾波レイはエヴァ初号機に乗っていた。零号機のときと変わらない安定したシンクロ率を記録して問題なくテストを終了させる。

 第87回機体連動試験において、被験者の惣流・アスカ・ラングレーは、エヴァ弐号機に乗っていた。全て正常値を記録し、問題なくクリアしたアスカは、「あったりまえでしょ」と不満そうにぼやく。

 第1回機体相互互換試験において、被験者の碇シンジはエヴァ零号機に乗っていた。緊張するシンジの状態を見てアスカは、もっと気楽にやればいいのにと漏らす。問題はないものの、初号機ほどのシンクロ率は期待できない。それでも「ダミーシステム計画」に支障はないと判断するリツコ。その計画に心理的難色を示すマヤ。試験を進める中、頭の中に違和感を覚えるシンジ。それはレイの存在が介入してくるような感覚だった。

 すると、突然零号機が制御不能に陥り暴走を始める。パイロットの精神汚染が確認される。コントロールルームの窓を殴る零号機。壁に頭を打ち付けると、活動限界を迎えてそのまま停止する。リツコは、零号機が殴りたかったのは自分なのだと確信する。

 次々と起こる問題。冬月は委員会やゼーレの動きに注意を促す。しかし、ゲンドウは「全て、我々のシナリオ通りだ」と言って問題はないと答える。「アダム計画」に触れる冬月。それも順調だと答えるゲンドウ。更に、「ロンギヌスの槍」のことを聞く冬月。それも予定通りだと答えるゲンドウ。その時、零号機は目的の場所へ「ロンギヌスの槍」を運んでいた。