新世紀エヴァンゲリオン 第拾参話「使徒、侵入 / LILLIPUTIAN HITCHER」あらすじ

エヴァンゲリオンTV 第13話 タイトル
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 第1発令所。オペレーターの伊吹マヤは、コンピューターに向かって正確なタイピングを行っていた。それを見たリツコが褒めると、「先輩の直伝ですから」と返した。すると、「待ってそこ、A-8の方が早いわ」と言って、リツコは効率の良い方法を素早くやって見せる。それを見たマヤはレベルの違いに驚く。

 ミサトがMAGIの診察状況を確認しに訪れる。約束どおり今日のテストには間に合わせたと答えるリツコ。作業が無事に終わると、リツコはテスト開始まで休むよう現場に指示する。ひと段落したリツコは顔を洗い「母さんは今日も元気なのに、私はただ年を取るだけなのかしらね……」とつぶやいた。

 クリーンルームに入るために裸になることを命じられるエヴァパイロットたち。ゴネるアスカに、リツコはエヴァのテクノロジーの進歩に合わせて新しいデータも必要なのだと説明する。三人は、プラグスーツの補助無しで直接肉体からハーモニクスを行うために、その姿のままエントリープラグに入るよう指示を受ける。

 パイロットが水中に沈められた機体に乗り込むと、テストが開始された。改善されたMAGIが高速でデータを処理していく。それを見て喜ぶミサト。初実験のときには一週間掛かったものが約3時間で終わるようになっていたからだ。

 リツコに今の気分を聞かれると、レイは何か違うと答える。シンジもいつもと違う気がすると言う。アスカは感覚がおかしいと訴える。データに問題がないことを確認すると、リツコは「ジレンマか」と独り言のように呟き、「作った人間の性格が伺えるわね」と付け足した。作ったのはあなたでしょう、と言うミサトに対して、リツコは自分の母が本体を作ったのだと答える。

 オペレーターの青葉シゲルが、搬入されたパーツを確認している。無菌室の劣化によって「第87蛋白壁」に浸蝕が発生したという。その報告を受け、テストに支障がないことを確認してから作業を続行するリツコ。しかし、テスト再開直後に浸蝕部に異常が発生する。爆発的なスピードで増殖する浸蝕部。壁伝いにレイが乗る模擬体システムへ侵入すると暴走を引き起こす。リツコは急いで全エントリープラグの強制射出を指示。浸蝕部にレーザーを照射するとA.T.フィールドで跳ね返される。それと同時にオペレーターが「分析パターン・青」を確認する。

 使徒侵入の報告を受けて、冬月はすぐさまセントラルドグマの物理閉鎖と、シグマユニット隔離の命令を出す。ゲンドウは、日本政府と委員会には探知機のミスで“誤報”だと伝えるように指示を出す。そして、エヴァを汚染させないために初号機を無人のまま地上へと射出させる。

EVANGELION EPISODE 13

 エヴァで対抗できない状態のまま、使徒に応戦することになったNERV。しかし使徒は、あらゆる対策を回避しつつ侵蝕を拡大していく。MAGIに侵入を開始した使徒に対して、ゲンドウはシステムダウンを指示するが効果がない。使徒は、ついに三台あるMAGIシステムのうちの一台「MELCHIOR(メルキオール)」に侵入する。それをリプログラムして乗っ取ると、次の「BALTHASAR(バルタザール)」にハッキングを開始する。あまりの計算速度の速さに、オペレーターは後手に回る。その時、ロジックモード変更の指示を出し「シンクロコードを15秒単位にして!」とリツコが叫んだ。侵入速度の減速によって、どうにか使徒の乗っ取りから時間を稼ぐことに成功する。

 2時間の猶予が与えられたNERVは、急遽作戦会議を開いた。リツコは、一連の流れから今回の使徒は細菌サイズの集合体であること。また、短時間で進化を続け、どのような状況にも対処するシステムを模索していると分析する。それに対抗するためには、進化を強制的に促進させて自滅に追い込む方法を提案する。ただし、問題は残り時間だった。

 リツコとマヤは、早速作業に取り掛かる。MAGIの本体内部は、開発者であるリツコの母が残した覚書で溢れていた。これなら間に合いそうだとリツコは希望を抱く。作業中、MAGIのことを詳しく知りたがるミサトに答えるリツコ。MAGIは、エヴァの操縦にも使われている人格移植OSの第一号だと言う。その中身とは、リツコの母の人格を移植した、言わば母の脳味噌そのものなのだと言う。

 ついに、使徒は二台目のシステム「BALTHASAR」を乗っ取り、自爆装置を作動させるため、最後の砦「CASPER(カスパー)」への侵入を開始する。「自爆装置作動まで、後15秒」機会音声のアナウンスが鳴り響く。焦るミサト。残り10秒。「一秒近く余裕があるわ」と答えるリツコ。7秒、6秒、5秒。マヤに確認を取るリツコ。準備ができていることを伝えるマヤ。「押して!」2秒、1秒、0……

「ミサトが入れてくれたコーヒーをこんなに美味いと思ったのは始めてだわ」
 疲れた表情でリツコは椅子に座っていた。
 MAGIは「三人の自分」だと、母が死ぬ前に言った言葉を思い返す。科学者としての自分、母としての自分、女としての自分。少しずつプログラムを変えてあるシステムを組むことで、わざと人の持つジレンマを残したのだとミサトに説明する。リツコは、科学者として尊敬していた母も、女としては憎んでさえいたという。

「CASPER」は“女”だった。最後まで女でいることを守った「彼女」のことを、「母さんらしいわ」と称してリツコは席を立った。

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